ライバルの好調によって少し肩身が狭くなっていたリヴァプールの背番号9だが、彼はここからエンジン全開となるか。ブラジル代表FWロベルト・フィルミーノが現地時間22日に行われたプレミアリーグ第9節のレスター・シティ戦で出色のパフォーマンスを披露している。
今季は自身の不調もあって、このままでは好調の新加入FWディオゴ・ジョタに定位置を奪われるのではと心配の声も上がっていたフィルミーノ。レスター戦前まで公式戦12試合に出場してわずか1ゴール2アシストだっただけに、周囲がそう思うのも無理はなかったと言えるだろう。いくらサポート型の“偽9番”とはいえ、ここまで得点に絡めないのは何かがおかしい。先日はクラブOBのジョン・オルドリッジ氏も、同選手の状態については「今のフィルミーノはどこか変だ。彼は一度立ち止まってプレイを見直す必要があるのかもしれない」とコメントしていた。
しかし、そんな周囲の心配は杞憂に終わったのか。フィルミーノはレスター戦に先発すると、これまでの不調が嘘だったかのように躍動。周囲との連携でたびたび相手ゴールに迫り、86分には今季2点目となる得点をゲットした。この試合を見る限り、すっかりいつものフィルミーノ。スタメンにふさわしいパフォーマンスで、同選手はリヴァプールの勝利に貢献した。
そんなブラジル代表FWの活躍には、ユルゲン・クロップ監督も大満足の様子。試合後、同監督はフィルミーノについて次のように語っている。英『Daily Mail』が伝えた。
「ジョタ、フィルミーノ、マネの3人はあまり一緒にプレイしたことがなかったけれど、今夜の彼らは悪くなかったね。特にフィルミーノは素晴らしかったよ。彼について周囲の人々がいろいろと言っているけれど、そんなものは馬鹿げている。今日の試合で最もゴールに迫っていたのは彼だ。私はフィルミーノにとても満足しているよ」
フィルミーノの立場について、これまでも一貫して「変わらない」という姿勢を崩していなかったクロップ監督。今回のレスター戦におけるブラジル代表FWの活躍は、そんな指揮官の我慢が結実した格好となったか。周囲の声にも動じなかった指揮官。さすがは名将と呼ばれる男だ。
そんな指揮官の期待に応え、見事レスター戦で結果を残してみせたフィルミーノ。やはり、リヴァプールの攻撃陣にこのブラジル代表FWは必要か。現在離脱者が続出している同クラブだが、前線は依然としてハイレベルな定位置争いが展開されることとなりそうだ。