アトレティコ・マドリードに来て、生まれ変わった選手。これまでもディエゴ・シメオネ監督の指導によって劇的にパフォーマンスが改善されたプレイヤーはいたが、現在のチームでその代表格を挙げるならばスペイン代表FWマルコス・ジョレンテということになるだろう。レアル・マドリードで燻っていた男は、新天地でいつの間にか代表にも呼ばれるほどのアタッカーとなった。
転機は昨季のリーグ戦中断期間。それまでアトレティコでも中盤の控えとして扱われていたM・ジョレンテだったが、シメオネ監督に適性を見出された同選手は突如としてFWへコンバートされる。すると、その攻撃性能が開花。MFとしてはなかなか結果を残すことができなかった彼だが、このコンバート以降は1.5列目のポジションで攻撃を円滑に進めるためのリンクマンに。今季は公式戦全11試合に出場し、4ゴール2アシストを記録。アタッカーとして覚醒した男は、今やアトレティコの攻撃陣に欠かせない存在となっている。
そんなM・ジョレンテが、自身のキャリアにおいて大きなターニングポイントとなった試合を振り返っている。それは昨季CL決勝トーナメント1回戦2ndレグのリヴァプール戦だ。この一戦で2ゴール1アシストの大活躍を披露し、前年王者撃破の立役者となったM・ジョレンテ。この試合における活躍によって、FWコンバートへの道は拓けたと同選手は伊『TUTTOmercatoWEB』へ次のように語っている。
「アンフィールドでの試合は、僕のキャリアにとって大きなターニングポイントだったよ。実際、あの試合は文字通り僕の人生を変えたんだ。でも、地に足をつけないとね。リヴァプールに対して素晴らしいパフォーマンスを披露できたことはこの上なく嬉しかった。だけど、その調子を長期にわたって継続することが何よりも大事なんだ。現時点で自分のプレイには満足しているけど、これからも努力を続けていきたい」
攻撃的な位置で起用され、結果を残したことでシメオネ監督の目に留まったM・ジョレンテ。あの試合で活躍することができていなかったならば、いくら素質があろうとも彼が今のように継続してアタッカーで起用されることはなかったか。同選手にとっては、まさに自身の運命を変える試合となったリヴァプール戦。人生、どこで何が起こるかはわからないものである。