2018年に開催されたロシアW杯以降はそのパフォーマンスに若干の衰えが見られるとも指摘もあった。しかし、この守護神は今季見事にその評価を覆してみせたのか。バイエルン・ミュンヘンに所属するドイツ代表GKマヌエル・ノイアーの株が再上昇し始めている。
ここのところはドイツ代表において、バルセロナでプレイするマルク・アンドレ・テア・シュテーゲンの方が正守護神に相応しいなどとも言われていたノイアー。クラブでも冬の移籍市場でバイエルンはシャルケから若いアレクサンダー・ニューベルを獲得しており、今後は双方で立場が怪しくなることが予想されていた。かつて“新世代型GK”として世界を沸かせた男とはいえ、もう34歳。「そろそろノイアーの時代も終わりそうだ」。彼を取り巻く状況を見るに、そう思う人は少なくなかったはずだ。
しかし、近頃のノイアーは再びトップフォームを取り戻しているか。先日行われたチャンピオンズリーグ決勝にて、同選手は幾度となく絶体絶命のピンチを救った。バイエルンはいくつか決定的な場面を作られたが、最後の砦としてノイアーが大奮闘。結局は強力・PSG攻撃陣をシャットアウトして栄冠を掴み取ることとなった。今季の3冠達成にこのベテランGKは不可欠な存在だった。そう証明するパフォーマンスだったと言っていいだろう。
そんなノイアーには各方面から絶賛の声が相次いでいる。ドイツ代表、そしてバイエルンの偉大な先輩であるオリバー・カーン氏は「ドイツ代表は常に素晴らしいGKを抱えているが、その中でもノイアーは間違いなく最高のうちの一人だよ。彼が史上最高かって? 獲得したタイトルやチームへの貢献度を考えると、そう言うこともできるだろうね」とこの守護神を高く評価。そして、ローター・マテウス氏も「私が今まで見てきた中で最高のGKの一人だよ。地球上で最高かもしれないね」とベタ褒めしている。
さらには決勝で対戦したPSGのトーマス・トゥヘル監督も、ノイアーの鉄壁ぶりには脱帽といった様子だ。自慢の攻撃陣を完封されたとあって、敵将も賛辞の言葉を贈らずにはいられない。「マヌは最後のタイミングでトップフォームを取り戻した。そしてそれが何週間も続いたね。彼はいまだにGKのレベルを新しい次元へと引き上げ続けている」。これ以上ない称賛と言えるだろう。
敵、味方を問わずあらゆる人々に華麗なる復活をアピールした今季のノイアー。はたして、この男はいつまでサッカー界のトップに君臨し続けるのだろうか。バイエルンを最後方から支える守護神が、再びかつてのような輝きを取り戻している。
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