本職は司令塔でありながらも、その類稀なるヘディングセンスと両足での強烈なミドルシュートを武器に得点を量産したドイツ産のMF。ここまで言えば、多くの人はかつてドイツ代表を主将として、そしてエースとして引っ張ったミヒャエル・バラックを思い出すことだろう。かつて“小皇帝”と呼ばれた男は、間違いなくドイツ・サッカー界の歴史に名を刻むレジェンドだ。
しかし、現在の“マンシャフト”にはそのバラックを凌ぐかもしれない“天才MF”がいる。そう主張するのはマンチェスター・シティに所属するドイツ代表MFイルカイ・ギュンドアンだ。同選手がその才能に惚れ込んでいるのはレヴァークーゼンに所属するMFカイ・ハフェルツ。独『Bild』のインタビューにて、ギュンドアンはまだ21歳の若武者を次のように評価している。
「カイの可能性は無限大だ。おそらく、彼の伸び代に限界はないよ。僕はこれまで彼とたくさん共にプレイしてきたからわかるんだ。ボールを持っている際の彼は恐ろしいほど冷静で穏やかなのさ。個人的な意見だけど、カイはバラックよりも優れていると思うな。タイプこそ違うとは思うけどね。バラックはそのスタイルもメンタリティも攻撃的だった。ピッチにタフな男が必要というのなら、バラックの方が優秀かもしれない。だけど、それ以外を求めているのならカイの方が上だと僕は思う。そう感じさせるほど、彼は巨大な才能を備えているんだ」
ドイツ代表で一時代を築いたレジェンドよりも上。ギュンドアンはハフェルツに関してそう断言している。今季レヴァークーゼンで公式戦43試合に出場し17ゴール9アシストを記録した天才MFだけに、ギュンドアンそのような評価を与えるのも無理はないか。ここまでの逸材が出現したとあっては、誰でもその将来に期待せずにはいられない。
とはいえ、これはあくまでも現時点での期待を込めた評価。ハフェルツが真にバラックと比較されるのは彼がキャリアを終えてからということになるが、はたしてその時この男はどこまでその評価を高めているのだろうか。ドイツに出現した新たな天才MF。その成長からは今後も目が離せない。
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