イタリア代表にスター選手がいない。近年のアッズーリには各方面からこんな意見をぶつけられることがある。EURO予選を全勝で突破した強さこそあるが、かつてのような華やかさは鳴りを潜めているのだ。
ロベルト・マンチーニ監督の手腕は評価されて然るべきだが、実力の拮抗したチームが集うEURO本大会で最後に差がつくのは“個の力”。シンデレラボーイを見つけない限り、イタリア代表のEURO制覇は厳しいのではないか。こんな見方も現地にはある。
たしかに近年のイタリア代表からは、各国リーグで主役級の活躍を披露している選手が消えた。渋い実力者はいるのだが、たった一人で試合展開をひっくり返してしまうようなスターがいないのだ。そういった選手は簡単に出てくるものでもないが、そろそろ絶対的エースと呼べる存在は欲しいところ。
では、現時点でその候補はいるだろうか。マンチーニ監督はある一人の男に期待をかける。伊『Rai Sport』のインタビューに登場した同監督は、ASローマで成長するMFニコロ・ザニオーロこそが将来アッズーリの主役かもしれないと次のように語った。
「ザニオーロは我々にとって非常に重要な選手となるかもしれない。彼はまだ非常に若く、EUROまでの1年間でさらに進歩を遂げることだろう。私が望むのはすべての選手がピッチに立つに値するようになること。チョイスが困難になる程競争が熾烈になることなんだ。このチームはまだ改善できると思っているよ」
マンチーニ監督が名前を挙げたザニオーロ。はたして昨季ブレイクを果たしたヤングレフティーは、先輩フランチェスコ・トッティ氏のようにアッズーリでもチームの中心となれるのだろうか。開催延期により生まれたEURO本大会までの1年で、さらなるブレイクに期待したいところだ。
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