[MIXゾーン]川崎を支える驚異の“オールラウンダー” 山村がのぞかせた空中戦への自信

広島のツインタワーにも動じない

川崎フロンターレは2日、明治安田生命J1リーグ第30節でサンフレッチェ広島と対戦した。ホームでの闘いながら広島に6割以上のポゼッション率を許す苦しい展開となったが、田中碧とマギーニョのゴールでスコアを2-1とし、上位争いを繰り広げる難敵を撃破。川崎は順位を4位まで押し上げ(首位の鹿島アントラーズとの勝ち点差は「8」)、大逆転優勝への望みを繋いだ。

車屋紳太郎と谷口彰悟の出場停止に加えて、守田英正が負傷離脱と、この一戦で守備陣の主力を欠いた川崎。試合前は守備が不安視されていたが、山村和也と約6ヶ月半ぶりに復帰を果たした奈良竜樹を中心に、我慢強いプレイを披露し、広島の攻撃陣を最少失点で抑えた。90分間通して守備を支えた山村は、広島戦を次のように振り返っている。

「特に後半は相手がシステムを変えてきて、ちょっと押し込まれる展開が続きました。失点はしてしまいましけど、しっかり守りきることができて良かったなと思います」
川崎は前半、広島のストロングポイントの1つである左サイド(川崎の右サイド)の攻撃に苦戦。さらに、後半から広島が2トップに変更したことで、残りの45分も前半とは違った形で苦しい戦いを強いられた。ただ、外から見えた状況とは違い、ピッチで戦う選手たちにはあまり焦りはなかったようだ。

「あそこ(川崎の右サイド)に人数をかけてきたんで、ちょっとマギーニョの周りで三角形だったりを作られてしまい、人数が足りない状況が出てしまった。そこをもう少しうまく対応できたら良かったなというところはありましたけど、全体的にそこまでストレスはなく、みんながしっかり役割を果たしたのかなという試合だった思います」

「(後半は)システムのところもあったと思いますけど、相手がハードワークしてきて、セカンドボールだったりで後手を踏んでしまったところはあるかなと思います」

この試合で安定したパフォーマンスを披露した山村だが、中でも光ったのが空中戦の強さだ。広島のブラジル人ツインタワーにも動じず、激しいエアバトルを披露。何本も相手のロングボールをはじき返し、ハイボールからあまりピンチを作らせなかった。奈良とのCBコンビについてのコメントとともに、空中戦への自信をのぞかせている。

「奈良ちゃんの特徴が出ていて、すごくやりやすかったです。潰しのところだったりとか、声をかけてくれたりとか。うまく声を掛け合いながらできたのかなと思います。やっぱりあそこ(空中戦)は僕たちの仕事だと思っているので、あそこで負けないように仕事ができて良かったと思います」

「試合に出ていない選手でも、力がある選手はフロンターレにはいる。そういった選手たちが結果を出していくことで、次につながってくると思うので、勝てて良かったなと思います」と述べつつ「目の前の試合を勝っていけば、可能性は広がっていくと思うので、しっかり勝てるように頑張りたいなと思います」と語った山村。川崎でもオールラウンダーの能力を遺憾無く発揮し、チームの窮地を救っている。この調子で川崎を逆転優勝へ導くことができるのか。

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