今夏にMFフレンキー・デ・ヨング、DFマタイス・デ・リフトの2人を引き抜かれてしまったアヤックスは、チームを大きく変える必要があった。昨季はエールディヴィジ制覇、さらにチャンピオンズリーグ・ベスト4進出と大成功のシーズンを送ったものの、今季はゼロからのスタートと言ってもいい。
では、今季アヤックスはどうチームを変えてきたのか。デ・ヨング、デ・リフトの後継者を見つけられればベストだが、あの2人が持つ才能は特別だ。そう簡単に代役は見つからない。アヤックスは昨季とは異なるアプローチで穴を埋めようとしているのだ。
英『Daily Mail』が特集しているが、最も大きく変わったのは中盤だ。昨季はデ・ヨングがビルドアップの全てをコントロールしていたが、あんなスーパータレントは世界中を探してもそうは見つからない。アヤックスが選んだのは、守備力のある選手で中盤を固める道だ。
今夏にはアルゼンチン代表DFリサンドロ・マルティネス(21)、メキシコ代表DFエドソン・アルバレス(21)の2人を獲得。2人ともセンターバックをこなす選手だが、ここまでアヤックスでは守備的MFとして起用される機会が増えている。デ・ヨングの代わりはできないが、同メディアは2人が中盤を引き締めるおかげでMFドニー・ファン・デ・ベークが昨季以上に攻撃へ専念できると伝えている。昨季とは違うやり方で中盤を機能させようとしているのだ。
センターバックはジョエル・フェルトマン(27)が主力となっているが、デ・リフトの後継者育成も忘れていない。徐々に出番を増やしている19歳のペール・スフールスだ。デ・リフトが若いため、スフールスを後継者と呼ぶのは不自然かもしれない。それでもスフールスにはポテンシャルがあると評価されており、デ・リフトと比較しすぎることなく数年後の本格ブレイクを目指してほしいところ。
注目の若手はスフールスだけではない。今季よりデビューしたのが右サイドバックのセルジーノ・ドストだ。アヤックスの下部組織出身選手であるアメリカ人DFのドストは、すでにアメリカA代表でプレイしている。アヤックスでも頭角を現してきており、次々と面白い若手が出てくるあたりはさすがアヤックスだ。
デ・ヨング、デ・リフトの大黒柱2人を引き抜かれながら、今季のアヤックスはまだ負けがない。チャンピオンズリーグでもリールとバレンシアをそれぞれ3-0で粉砕しており、今季も決勝トーナメントに進みそうな勢いだ。第3節ではチェルシーと対戦する予定となっているが、チェルシーをも呑み込んでしまうかもしれない。
形は違ったが、アヤックスは今季も欧州の舞台で旋風を巻き起こす可能性を秘めている。来夏にはまたアヤックスのタレントを巡ってビッグクラブが争奪戦を繰り広げる可能性があり、彼らの躍進はまだまだ終わらない。
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