放出候補だった男が掲げたCLトロフィー ジェラードとは異なるレッズの闘将

リヴァプールのヘンダーソン  photo/Getty Images

称賛されるは人間性

リヴァプールの主将としてチャンピオンズリーグのトロフィーを掲げたMFジョーダン・ヘンダーソンは、それこそ2004-05シーズンのチャンピオンズリーグを制してトロフィーを掲げた闘将スティーブン・ジェラードに比べると世界的な評価は決して高くない。ジェラードはワールドクラスのMFと絶賛された存在だったが、ヘンダーソンはジェラード級のミドルシュートやロングパスを備えているわけでもない。

しかし、ヘンダーソンはリヴァプールに欠かせない存在となった。イングランドを代表するビッグクラブの1つであるリヴァプールで主将の座に上り詰めるのは簡単なことではなく、そこまで派手な能力を持つわけではないヘンダーソンにも苦労があった。米『ESPN』は、「ヘンダーソンはいかにしてチャンピオンズリーグのトロフィーを掲げるリーダーとなったのか」と取り上げているが、ヘンダーソンが2012年に放出候補になっていたのは有名な話だ。

2011年にサンダーランドから1600万ポンドの移籍金でリヴァプールに加わったヘンダーソンには過大評価されているとの声もあり、サポーターも初めから特大の評価をつけていたわけではない。当時ヘンダーソンのことを重要視していたサポーターは少ないだろう。
それでもヘンダーソンは諦めなかった。少しずつチームメイトや監督、サポーターの信頼を掴み、今回の決勝・トッテナム戦でも外せない選手の1人となった。最後まで走り切る力はもちろんだが、攻守両面でハードに戦うことができるのも強みだ。

そして何よりチームメイトから絶大な信頼を受けている。フィルジル・ファン・ダイクは、「人としてヘンドはこれまで出会ってきた人の中で最もファンタスティックな人物の1人だ」と絶賛すれば、トレント・アレクサンダー・アーノルドも「彼無しでは僕たちはこの場にいなかった」とコメントしている。

人間性、強靭なメンタルとリーダーシップで主将の座をがっちりと固め、チームのチャンピオンズリーグ制覇に貢献したヘンダーソン。今のリヴァプールを束ねるのは彼しかいない。

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