韓国誌、アジア杯4強入りの日本代表を酷評「繊細なサッカーを放棄」

敵陣中央でボールを受けることが多かった原口だが、狭いスペースの中で決定的な仕事はできず photo/Getty Images

攻撃が機能せず

現地時間24日にAFCアジアカップ2019の準々決勝が行われ、日本代表がベトナム代表に1-0で勝利した。

57分に堂安律がPKで挙げたゴールを守りきった日本代表だが、試合内容は芳しくない。68.2%のボール支配率とは裏腹に波状攻撃は少なく、攻撃に難があることを露呈した。韓国誌『Best Eleven』は「日本代表は繊細なサッカーを放棄した」という見出しを打ち、同代表の戦いぶりを酷評。「(それまでの)日本サッカーと言えばショートパスを駆使し、狭いスペースを素早くすり抜けるイメージだった。力強さはなくとも、繊細なサッカーを目指すという独特の哲学が感じられたが、(ベトナム代表戦で)彼らはその繊細なサッカーを捨ててしまった。これによりベトナムの堅い守りを崩せなかった」と続け、同代表の攻撃に問題があるとの見解を示している。

[5-4-1]の布陣で自陣ゴール前を固めるベトナム代表に対し、特に前半は相手最終ラインの背後へ工夫に欠けるロングボールを蹴ってしまっていた日本代表。相手がリトリートし、ゴール前で待ち構えている状況下でそこにロングボールを送っても、効果は期待できない。実際に、空中戦に強いFW大迫勇也がベンチにいた前半ではサイドからのハイクロスが繋がらず、攻撃が単発に終わっていた。今回の相手の出方や日本の前線の顔ぶれを踏まえると、違う攻め方を選択したかったところだろう。
また、波状攻撃を仕掛けられなかった要因として、サイド攻撃の機能不全が挙げられる。ベトナム戦で迫力に欠けたのは左サイドの攻撃だ。この試合では本来タッチライン際での縦方向のドリブルを得意とする原口元気(左サイドハーフ)がバイタルエリア中央に立ち、敵陣でのパスワークに加わったものの、相手ゴールに背を向けた状態で相手DFを背負うプレイを余儀なくされ、持ち前のドリブル突破を披露できず。この現象はグループリーグ初戦(トルクメニスタン代表戦)の前半にも見られていたが、準々決勝でも同じ問題に直面してしまった。トルクメニスタン戦では後半から原口がタッチライン際に張り、左サイドバックの長友佑都がインナーラップで原口をサポートするという方法に変えたことで攻撃の停滞感が解消されたが、準々決勝ではこのような工夫もあまり見られず。ノックアウトステージに入って以降、オープンプレイで得点できていない日本代表だが、準決勝までに懸案となっている左サイドの攻撃を改善できるか。



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