運命を分けた選択 “世界一”になれたかもしれないセネガル代表DF

ロシアW杯では日本代表とも対戦したセネガル代表DFクリバリ photo/Getty Images

U-20まではフランス代表でプレイ

欧州屈指のセンターバックに成長したナポリのセネガル代表DFカリドゥ・クリバリが、代表への想いを明かした。

フランスの北部にあるサン・ディエ・デ・ヴォージュ出身のクリバリ(27)は、2010年に当時リーグ・ドゥに所属していたメスでプロデビューし、2012年夏にベルギーの強豪ヘンクへ移籍。加入初年度からチームの主力として活躍しており、リーグ戦では3位、カップ戦では4年ぶりの優勝に貢献している。翌シーズンも公式戦46試合に出場し、メキメキと頭角をあらわすと、この若き逸材に目をつけた名門ナポリが、2014年夏に獲得した。そして、守備大国イタリアでもすぐさま緻密な戦術に順応し、新天地でも定位置を確保。対人能力や技術により一層磨きをかけ、今ではセリエAだけでなく欧州の中でもトップクラスのDFとなっている。

一方、代表ではフランスの各年代でプレイしてきたクリバリ。2011年に行われたU-20W杯では6試合に出場し、同世代のアントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリード)らとともに同国のベスト4進出に貢献した。しかし、その後はなかなかA代表からお呼びがかからなかったこともあり、同選手は自身のルーツのひとつであるセネガル代表を選択。今夏に開催されたロシアW杯では同代表の一員として参加し、日本代表とも対戦している。
ロシアW杯で優勝したフランス代表、そしてグループリーグで敗退したセネガル代表。タラレバは禁物だが、フランス代表一筋を貫き、現在の実力を持ってすれば、クリバリは同代表の一員としてW杯でプレイできたかもしれない。しかし、同選手はセネガル代表を選択したため、世界一のメンバーになることはなかった。ただ、クリバリに後悔の二文字はない。

「世界チャンピオンになれたかもしれないセネガル人」と取り上げた英『BBC SPORT』のインタビュー内で「僕はセネガル代表で未来の物語を描きたいと思っているので、後悔はしていないよ。それがきっとできると思っているしね。セネガルがアフリカで最高のチームであることを証明したかった。(ロシアW杯は)良い経験になったよ。僕は学校でフランスの文化を学び、この文化を愛しているが、別の文化も持っているんだ。そう、セネガルだ。僕が今日まで人として成長できたのは、この二つの文化があっらからだと思う」と明かしている。

アフリカの中でも、才能あふれるタレントが豊富なセネガル代表。クリバリは同代表の仲間とともに、飛躍を遂げることができるのか。今後の活躍に期待だ。

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