[ロシアW杯#27]ストロングポイントは攻撃力! ベルギー、本領発揮で止めるのは困難か

豊富なタレントによる多彩な攻撃パターン

豊富なタレントによる多彩な攻撃パターン

2ゴールの活躍で、ベルギーの勝利に貢献したE・アザール。喜びのあまりガッツポーズを決める photo/Getty Images

タレントが豊富で連携がうまくいくと、こうも攻撃のカタチをいろいろと出せるのか──。波に乗るキッカケとなったのは、6分という早い時間帯に生まれた先制点だ。PKによるものだったが、これにつながる展開がよかった。

右サイドからムニエが中央へパスを送ると、E・アザールがボールをスルーし、メルテンスがダイレクトでスルーパス。E・アザールがタテへ抜け出し、ベン・ユセフに倒された。サイドからの正確なパス→相手を惑わすアイデア→縦へ抜け出すスピードが噛み合って奪ったPKで、キッカーのE・アザールがきっちりと決めて早々とリードを奪った。

16分にまたもメルテンスが今度はドリブルでチャンスを作り、相手を翻弄するラストパスを出す。これを受けたルカクが左足シュートでゴールネットを揺らし、2点差とした。直後にセットプレイからブロンに決められて2-1となったが、ベルギーはまったく慌てなかった。そして、最高の時間帯にふたたびリードを広げた。

45+3分、ゴール正面でムニエがボールを持つと、ルカクが反応して斜め前方に動く。これに合わせてムニエがやさしいパスを出し、GKと1対1になったルカクが自身この日2点目、大会通算4点目となるゴールを決めた。なんとか1点差で折り返したかったチュニジアにとってはダメージが大きい追加点で、この1点が両者にもたらした影響は大きかった。

プレッシャーから解放されベルギーらしさが

プレッシャーから解放されベルギーらしさが

ベルギーの心臓であるデ・ブライネ。正確なパスに加えて、前線への飛び出してなど、勝利に大きく貢献した photo/Getty Images

後半のベルギーはパスをつないで攻撃を組み立てるというより、中盤の深い場所や最終ラインから前線へ効果的なタテパスをどんどん出していた。51分、アルデルヴァイレルトから長いタテパスが出る。裏のスペースを狙っていたE・アザールが巧みなトラップでマイボールにし、飛び出したGKをかわして冷静に4点目を流し込んだ。

ゴールにこそつながらなかったが、その後もベルギーは数多くのチャンスを作り出した。メルテンス、カラスコ、交代出場したバチュアイなどが常に裏をうかがっていて、ムニエ、ヴィツェル、デ・ブライネなどが正確なパスを供給する。デ・ブライネはときに自身が前線に飛び出すなど、変幻自在のポジションを取ってマークを無きものにしていた。もはやチュニジアになすすべはなく、彼らは時間の経過を待つばかりだった。

その後に1点を取り合って試合は終了した。パナマとの初戦で前半を0点で終えたときは硬さがあると思われたが、その後の3発でプレッシャーから解放されたようだ。この日は立ち上がりから各選手が気持ちよくプレイしていたし、連携もよかった。攻撃力こそがベルギーのストロングポイントで、2試合を終えて開催国ロシアと並ぶ8得点としっかりと特長を発揮している。

ロベルト・マルティネス監督は後半途中にルカク、E・アザールをベンチへ下げるなど、今後を見据える采配をみせた。この攻撃力を止めるチームはどこなのか? あるいは、ないかもしれない──。そんな印象を抱かざるを得ない圧勝劇だった。

[スコア]
ベルギー代表 5-2 チュニジア代表

[得点者]
ベルギー代表:アザール(6、51)、ルカク(16、45+3)、バチュアイ(90)
チュニジア代表:ブロン(18)、ハズリ(90+3)

文/飯塚 健司
サッカー専門誌記者を経て、2000年に独立。日本代表を追い続け、W杯は98年より6大会連続取材中。日本スポーツプレス協会、国際スポーツプレス協会会員。サンケイスポーツで「飯塚健司の儲カルチョ」を連載中。美術検定3級。Twitterアカウント : scifo10

theWORLD208号 2018年6月24日配信の記事より転載

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