自殺も頭をよぎった…… 元チェルシーDFジョン・テリーが忘れられぬ“CL決勝でのPK失敗” 「今でも夜中に目が覚めて、『ああ、あれは現実だったんだ』って思う」

PKを外したテリー(左) photo/Getty Images

初のCL制覇がかかった5人目のキッカーを担当

チェルシーのレジェンドであるジョン・テリーは今になっても忘れられぬ苦い思い出について話した。

チェルシーで公式戦通算717試合に出場し、5度のリーグ優勝など多くのタイトルを獲得したテリーだが、2007-08シーズンのCL決勝でPKを失敗した後、自殺が頭をよぎるほどだったと激白した。

チェルシーは2008年5月に初のCL制覇をかけてマンチェスター・ユナイテッドと対決したが、勝負は延長戦でも決着つかず、1-1のままPK戦へ。そんなPK戦で5番目のキッカーを任されたテリー。ユナイテッドが1人失敗したのに対し、チェルシーは4人全員が成功。テリーが決めれば、優勝が確定したが、軸足を滑らせてしまい、ボールはポストに直撃して外れてしまった。その後7人目のニコラ・アネルカも失敗してしまい、チェルシーはあと一歩のところで負けてしまった。

PKを失敗したテリーは試合後、モスクワのホテルに戻ったあと、そこで様々なことが頭をよぎったと明かした。

「振り返ってみると、あの時誰かに話せたらよかったと思う。試合の後、みんなでホテルに戻ったんだ。私はモスクワの25階にいて、窓の外を眺めながら、ただ『なぜ?なぜ?』と繰り返していた。その機会があったら飛び降りるって言ってるわけじゃないが、その時は頭の中をいろんな考えがよぎるものだ。そしたらチームメイトがやってきて、俺を階下に連れて行った。こういう時って『もしも…』って思うんだよね。本当にどうなるか分からないよ、そうだろう?」

「当時、3、4日後に我々はイングランド代表の活動があったので、今はマンチェスター・ユナイテッドの選手たちと食卓を囲んで座っているが、とにかくあれはこれまでで最悪だった!でもその後、ウェンブリーでアメリカと対戦した。そこで私は得点したんだ。ボックスの外からヘディングで決めた。その直後に『どうしてあの瞬間とこれを交換できなかったんだろう?』と思ったよ」

「今でも頭から離れない。確かに年月と共に薄れてはいる。試合を重ね、シーズンを重ねるうちに、そういうことは少し区別して、心の奥底に押し込めるようになるんだ。だが今は引退した身だ。毎週プレイする集中力も、サポーターの前でプレイするあの高揚感も、もうない。それが本当に胸に迫るんだ。今でも夜中に目が覚めて『ああ、あれは現実だったんだ』と思う。そして、もう二度とあの感覚は味わえないだろう」(英『Daily Mail』より)

現役を離れてもなお、CL決勝でのPK失敗が忘れられないと語ったテリー。決勝戦後の数日間は数時間しか眠れなかったことも明かしたが、その4年後、チェルシーはCL決勝でバイエルンをPK戦で破り、悲願のCL制覇を達成。テリーは出場停止で出られなかったが、ビッグイヤーを掲げ、クラブの歴史に名を残した。


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