古巣に戻ってきたカソルラのキャリアこそサッカー選手が見習うべきもの? お金で薄まる故郷の愛「お金で買えるものはたくさんあるが……」

オビエドを昇格へ導いたカソルラ photo/Getty Images

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古巣だからこそ得られる愛

今季スペイン2部で35試合に出場して5ゴール5アシストの成績を残し、レアル・オビエドの1部昇格に大きく貢献した元スペイン代表MFサンティ・カソルラ。

カソルラはオビエドのアカデミーで育ってきた選手であり、その後ビジャレアルやマラガ、アーセナルなどで活躍してきた。再びオビエドに戻ったのは2023年のことで、40歳で迎えた今季にチームを1部の舞台へ昇格させることに成功した。今月12日にはクラブとの契約を1年延長することも発表され、カソルラはこのまま1部の舞台で戦うことになる。

スペイン『SPORT』は、カソルラのキャリアを多くの選手に見習ってほしいと綴る。最近はキャリア終盤にアメリカや中東へ向かう選手が増えており、カソルラのように育った古巣でプレイする選手は少ない。カソルラもカタールのアル・サッドでプレイしていた期間はあるが、最終的には古巣へ戻ってきた。
「サッカー界のレジェンドたちがお金のせいでカソルラのような経験を逃してしまったのは残念だ。サウジアラビア、カタール、アメリカ、数年前は中国もそうだったが、引退前に巨額契約を結べるようになった昨今、カソルラが愛するオビエドで経験していることは商業化されたサッカーにおいて愛のある行為と言える。これが真の別れだ。彼はカタールに留まることも出来たはずだが、2部にいる故郷へ戻ることを決めた」

「しかもチームに昇格をもたらしたのだ。彼は人生で愛したクラブと新契約を結び、1部でプレイする。今の時代においてかけがえのない存在と言える。サッカー選手のキャリアは短く、100万ドルの契約は魅力的だ。しかし、何の愛着もないユニフォームでサッカーに別れを告げるのではなく、カソルラのように心から別れを告げる選手が増えてほしいと願う。お金で買えるものはたくさんある。しかしサポーターからの心よりの喝采、街の涙、故郷の温もりは決して得られない」

同メディアはこのように伝えており、確かにカソルラが経験していることはお金で買えないものと言える。オビエドの1部昇格は25シーズンぶりのことになり、カソルラの帰還は街全体にとって特別なものとなっている。

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