キックオフが近づいている今季のFA杯・決勝は、マンチェスター・ユナイテッドVSマンチェスター・シティのマンチェスター・ダービーだ。独特な空気感に包まれた熱いファイナルとなるだろう。
その一戦を前に、英『Football365』は過去のFA杯・決勝の中から『ベストマッチTOP3』を選出している。今回のマンチェスター・ダービーが過去の激闘をも超えるドラマを生むか注目しているのだ。
3位:ウィガンVSマンチェスター・シティ(2012-13)
まさに歓喜と絶望が入り混じったバトルと言ったところか。ウィガンは後半アディショナルタイムにベン・ワトソンがゴールを決めてシティを撃破。FA杯制覇の歓喜を味わったが、このシーズンはプレミアリーグで18位に終わって2部降格の地獄を見ている。あらゆる意味でドラマチックな決勝だったのだ。
ちなみに、この降格以降ウィガンは2部と3部を行ったり来たりの日々が続いている。今では2部でも成績が安定しない状態となっており、この10年の苦戦ぶりは何とも寂しいものがある。
2位:リヴァプールVSアーセナル(2000-01)
当時はアーセナルがリーグ戦で2位、リヴァプールは3位の成績でフィニッシュしており、上位同士の対決となった決勝も熱いバトルが展開された。
アーセナルはGKデイビッド・シーマン、DFリー・ディクソン、マーティン・キーオン、トニー・アダムス、アシュリー・コールら百戦錬磨の猛者たちが最終ラインを構成し、中盤にもパトリック・ヴィエラ、最前線にはティエリ・アンリとシルヴァン・ヴィルトールのフランス人選手がズラリと顔を揃える強烈布陣だ。
一方のリヴァプールはまだ若かったDFジェイミー・キャラガー、MFスティーブン・ジェラード、さらに前線ではFWエミール・ヘスキーとマイケル・オーウェンが2トップを形成。その後のイングランド代表を引っ張っていく若手タレントたちが軸となっていた。
主役はワンダーボーイのオーウェンだ。試合はアンリを中心に攻撃を展開するアーセナルのペースで進み、72分にフレドリク・リュングベリのゴールでアーセナルが先制。
それを5分でひっくり返したのがオーウェンで、83分にセットプレイの流れからダイビングボレーを決めると、89分には自慢のスピードでアーセナルDF陣をぶっちぎってゴール。当時のイングランド代表では最高のゴールゲッターであることを証明したゲームだ。
1位:リヴァプールVSウェストハム(2005-06)
またもリヴァプールのゲームが選出された。いわゆるジェラード・ファイナルとして有名な一戦で、決勝にふさわしい撃ち合いをリヴァプールが制してみせた。
リヴァプールは苦しい展開の連続で、28分までに2点を先行されてしまう。その後1点を返し、迎えた54分にジェラードがペナルティエリアのこぼれ球に反応して強烈ボレーを叩き込んで同点に。
しかし、これでリヴァプールのペースにならないのがこの決勝の面白いところ。10分後にはラッキーなゴールでウェストハムが再び1点をリードし、試合は後半アディショナルタイムに突入。
ここでジェラードが再び魅せる。セットプレイの流れからこぼれてきたボールをエリア外からダイレクトミドルシュート。ジェラードにしか決められない一撃で試合を振り出しに戻した。
その後PK戦の末にリヴァプールが勝利。二転三転する展開だったことを考えても、この戦いがFA杯の歴史に残る熱戦だったのは確かだ。
果たして今回のマンチェスター・ダービーはこれをも超える熱戦となるのか。特別なダービー・ファイナルが迫る。