大迫だけじゃない! 復活の武藤嘉紀も好調な神戸を支える“今季の主役”だ

今季リーグ戦で4ゴール5アシストを記録している武藤 photo/Getty Images

調子の良さは数字にも

ヴィッセル神戸は13日、明治安田生命J1リーグ第13節でサンフレッチェ広島と対戦し、2-0で勝利を収めた。この結果、勝ち点を「29」まで伸ばし、首位をキープしている。

今季ここまで9勝2分2敗と、非常に好調な神戸。得点ランキングのトップを走る大迫勇也の復活や、リーグ最小失点(8失点)を誇る粘り強い守備など、躍進の要因はいくつかあるだろう。ただ、大迫とともに攻撃を牽引しているFW武藤嘉紀の存在も忘れてはいけない。

現在30歳の武藤は2021年夏、6年間の欧州挑戦を経て日本へ復帰し、神戸へ加入。復帰初年度は約半年間でリーグ戦14試合に出場し、5ゴール8アシストと結果を残したが、昨季は怪我の影響もあってなかなかコンディションが上がりきらなかったのか、同26試合で6ゴール3アシストにとどまっていた。
しかし、日本復帰3シーズン目の今季は完全復活を遂げ、スタートから絶好調だ。今節の広島との上位対決でも武藤はフル出場を果たすと、GKとDFの間を通す絶妙なグラウンダーのクロスでオウンゴールを誘発。試合終了間際の後半アディショナルタイムには、90分間走り続けた疲労もなんのその。ハーフライン付近からドリブルで持ち込むと、ペナルティアーク手前から華麗なミドルシュートを決めた。そのほかにも、この一戦ではドリブルでいく度となく局面を打開していたほか、スルーパスを通してチャンスを作るシーンもあった。

さらに、その調子の良さは数字にも表れている。武藤はここまで、リーグ戦で4ゴール5アシストを記録しているが、アシスト数はリーグ2位タイ(ゴールは13位タイ)。ビッグチャンスクリエイト数は8回で、なんとリーグトップだ。そして、湘南戦では30回、鹿島戦と名古屋戦では29回ものスプリント回数を記録している。今季のスプリント回数ランキングのトップ10に、3つも武藤の名前があるのだ。データサイト『Sofascore』が発表している今季の平均レーティングでも「7.40」と非常に高いスコアを出しており、J1の全選手の中で6番目に高い数字となっている。(データは『J STATS』および『Sofascore』より)

また、攻撃面だけでなく、守備に奮闘するシーンも目立つ。得点ランキングのトップに立つ大迫に注目が行きがちだが、武藤も好調な神戸を支えており、今季の“主役”の1人と言っていいだろう。この調子でチームにタイトルをもたらすことができるのか。今後のさらなる活躍に注目が集まる。

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