アルテタ監督の“起用法の極意” 長けたマネジメント力でアーセナルを優勝へ導けるか

アーセナルの指揮を執るアルテタ監督 photo/Getty Images

自分の決断をうまく伝え、行動を理解させる

26試合を消化して20勝3分3敗。勝ち点を「63」まで伸ばし、アーセナルはプレミアリーグの首位に立っている。無敗優勝を成し遂げた2003-04シーズン以来、19シーズンぶりとなる優勝へ大きく近づいているのだ。

アーセナルの好調の要因はいくつかあるだろうが、チームの指揮を執るミケル・アルテタ監督の「マネジメント力」もそのひとつだろう。なぜなら、積極的にローテーションするタイプの監督ではないが、ここまでの指揮官の起用法に関して、選手たちから不満の声がほとんど聞こえてこないからだ。

もちろん、あまり出場機会がもらえず、苦しい時間を過ごしている選手たちはいるだろう。ただ、そういった選手たちにきちんとした理由を提示し、納得させることがビッグクラブの指揮官としては重要だ。もし不満を抱えている選手がいるとするならば、今夏の退団の噂が絶えないDFキーラン・ティアニーくらいか。
では、アルテタ監督はどのような信念をもとに、選手たちを起用しているのか。先日、インタビューで自身の起用法に関して、次のようなコメントを残していた。(アーセナル公式サイトより)

「誰もがプレイしたいと思っている。時には難しいこともあるが、選手は出場するに値するものでなければならず、サッカーで公平に扱うことは非常に難しいことなんだ。だから、自分の決断を選手たちにうまく伝え、選手たちに自分たちの行動を理解させる。最終的には、チームにとって何が最善かを考えなければならないけどね。我々は誰もがチームにとって重要な選手だと感じてほしいと思っている。そのように感じさせようとしているよ」

出場機会に関して不満を抱え、納得できない選手がチーム内に多くいると、それが不協和音となり、チームの雰囲気が悪くなることがある。ただ、今のアーセナルにはそれが見られない。それどころか、常に選手と監督がこまめにコミュニケーションをとっており、雰囲気の良さがうかがえる。アーセナルはこのまま残り10試合強を走り抜け、栄光を手にすることができるのか。

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