仏で続く青年指揮官の快進撃 スタッド・ランスのスティルに続いてニースでも36歳の指揮官がブレイク中

ニースを指揮するディガール photo/Getty Images

18歳の若手を抜擢するなど大胆な起用法も

今季フランスのリーグ・アンでは青年指揮官の思わぬ快進撃が話題を呼んでいる。

最初の衝撃は昨年10月よりスタッド・ランスの指揮官に就任した30歳のウィリアム・スティルだ。10代の頃より指導者の道を志していたスティルは、ベルギーのスタンダール・リエージュやリールセのビデオ分析官、アシスタントコーチなどを経て、2021年よりスタッド・ランスのコーチに就任。

そして10月にオスカル・ガルシアが解任されたため、急遽スティルが登板することになった。これが予想を超える大ヒットとなり、何とリーグ戦では就任から13試合で6勝7分と負けがない。伊東純也、さらにはFWフォラリン・バログンの攻撃力を最大限活かしており、30歳のスティルは一躍有名な存在となった。
そのスティルよりは年上だが、次なるサプライズとなったのが今年1月よりOGCニースの指揮官に昇格したフランス人のディディエ・ディガール(36)だ。

ニースはルシアン・ファブレが解任され、前述したスティルと同じくディガールもアシスタントコーチから指揮官へ昇格することになった。

まだ6試合しかこなしていないが、成績は5勝1分と見事な滑り出しだ。もっともニースの場合はスタッド・ランスより積極的な補強に動いており、昨夏もMFロス・バークリー、アーロン・ラムジー、FWニコラ・ペペ、GKカスパー・シュマイケルら経験豊富な即戦力を獲得。この冬にもロリアンでブレイクしていたナイジェリア代表FWテレム・モフィを引き抜いており、狙いは上位進出にある。戦力的にはスタッド・ランスより上と言っていい。

とはいえ、ディガールの手腕が優れているのも事実。英『The Guardian』もディガール就任から選手たちの動きが改善されたと仕事ぶりを称えており、攻撃面ではモフィやガエタン・ラボルドといったパワフルなFWたちを上手く活かしている。

加えて右サイドバックではアカデミー出身の18歳DFアントワーヌ・メンディ、前線では同じくアカデミー出身の18歳FWバドレディン・ブアナニを積極的に起用しており、両者ともアシストを記録するなど爪痕を残している。就任早々から10代の若手を抜擢するのは興味深い選択で、スタッド・ランスのスティル同様に若手指揮官だからこそ生まれる大胆なアイディアがあるのかもしれない。

同メディアはリーグ・アンのクラブが青年指揮官に賭けるのは珍しい傾向と伝えているが、スティルとディガールのヒットは他クラブにとっても参考材料となるだろう。青年指揮官だからこそ出来ることもあるはずで、リーグ・アンではちょっとした若手指揮官旋風が巻き起こっている。

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