カンセロとウォーカーから学ぶ18歳 リヴァプール相手にも臆さない新星SBは“次のフォーデン”となるのか

CLセビージャ戦でトップチーム初ゴールを記録したリコ・ルイス photo/Getty images

トップチームの悩みを解決してくれるか

今夏の移籍市場では念願のストライカーを獲得したマンチェスター・シティ。ボルシア・ドルトムントからやってきたアーリング・ハーランドの破壊力はすさまじく、プレミアリーグではすでに18ゴール、CLやカップ戦も合わせると24ゴールにまで上る。ハーランドはシティが求めていた紛れもないゴールハンターだ。

しかし悩み事が一つ減ったとしても、ペップの悩みがなくなることはない。その一つがサイドバックの選手層の薄さだ。今夏の移籍市場ではオレクサンドル・ジンチェンコを売却してマルク・ククレジャの獲得に動いていたが、失敗しセルヒオ・ゴメスを代役としてチームに加えている。

ゴメスはまだ若く、即戦力としての獲得ではない。成長を見込んだものであり、それこそ以前ジンチェンコを獲得していた時と似ている。そのためトップチームのSBはカイル・ウォーカーとジョアン・カンセロの2人のみであり、頭数でいえば昨季よりも減ってしまった。
今季はジョン・ストーンズやネイサン・アケのSB起用で凌いでいるが、両者ともに怪我が多く、長いシーズンを計算できない。当たり前ではあるが、ウォーカーやカンセロと比べパフォーマンスは劣るため、やはり新たなSBの獲得は必要となる。

ただ若手には気になる存在がおり、彼の成長次第で新たなSBの獲得に待ったをかけることができる。それがDFリコ・ルイスである。

マンチェスター出身の18歳で、プレシーズンマッチからトップチームで出場機会を得るようになった。その後はSBの選手層が薄いこともあって少ないながらも継続してピッチに立ち、CLセビージャ戦で初ゴールを記録した。3-2で勝利したカラバオカップでは右SBとして先発しており、デュエルでは5勝を記録するなど将来有望な若手である。

英『Manchester Evening News』ではカンセロを自身のロールモデルにしていると明かしている。カンセロだけでなくトップチームにはウォーカーという現時点で最も守備力のあるSBもおり、ルイスには攻撃・守備でお手本となる選手が揃っているのだ。

ルイスのスタイルは現時点で、守備的なのか攻撃的なのか断定するのは難しい。CLでゴールを決めたように攻撃面で良さを出すこともできれば、リヴァプール戦のように球際で強さを見せることもできる。

FIFAワールドカップ・カタール大会前と今で大きく変わったのは、ピッチ上で見せる自信の大きさだ。カラバオカップでは伸び伸びプレイしており、近年タイトルを争う最大のライバルを前にしてもひるむことなく、自身の役割を遂行することができる。シティ特有の偽SBもすでに習得済みで、楽しみな18歳がシティに現れた。

シティのアカデミーは近年、優秀な選手をトップチームやプレミアリーグに送り出している。トップチームではフィル・フォーデンが存在感を放っており、サウサンプトンではロメオ・ラヴィアとギャビン・バズヌの2人がすでに定位置を確保している。トップチームに定着したのはフォーデンのみであり、ルイスが次のフォーデンとなるのだろうか。

記事一覧(新着順)

電子マガジン「ザ・ワールド」No.292 最強ボランチは誰だ

雑誌の詳細を見る

注目キーワード

CATEGORY:コラム

注目タグ一覧

人気記事ランキング

LIFESTYLE

INFORMATION

記事アーカイブ