プレミアリーグが始まった当初、ニューカッスルはアラン・シアラーやアンディ・コールらの活躍もあって上位の常連チームだった。しかし2008-09シーズンに2部降格を経験し、それ以降は中位でフィニッシュするシーズンが増えてしまった。
昨年10月にサウジアラビアの政府系ファンド『PIF』による買収が決定したニューカッスルが目指すのは、当時の競争力を取り戻すことになる。今季は現在6位とまずまずの好スタートを切っており、その立役者の1人にブラジル代表MFブルーノ・ギマランイスが挙げられる。
まったくタイプが同じというわけではないが、元イングランド代表FWダレン・ベント氏はギマランイスのことをニューカッスルでプレイしていた元フランス代表FWハテム・ベン・アルファと比較している。
「彼は少しベン・アルファを思い出させる。ニューカッスルのサポーターはベン・アルファのことを愛していたからね。ただ、ギマランイスの方が一貫性がある。どちらもファンを興奮させる能力を備えている。彼らはファンを楽しませたいと思っているし、ギマランイスはそれをやっている」(英『HITC』より)。
ニューカッスルはベン・アルファが2011-12シーズンにプレミア5位の成績を残している。2010年代では唯一のトップ10に入ったシーズンとなっており、当時のチームでは16ゴールを決めたFWデンバ・バ、13ゴールを決めたFWパピス・シセのセネガルFWコンビ、彼らをコントロールするファンタジスタのベン・アルファ、司令塔のヨアン・キャバイェ、守備を統率するファブリシオ・コロッチーニらタレントが揃っていた。サポーターはこの時の強さを取り戻してほしいと考えていることだろう。
当時残念だったのは、2013年にエースのデンバ・バをチェルシーに引き抜かれたことだ。2011-12シーズンは5位で終えたのに、続く2012-13シーズンは16位と残留争いに巻き込まれてしまった。
しかし資金力のある現在のニューカッスルならば、主力を維持しつつさらなる戦力強化が望める。ひとまず今季はトップ6を目標とし、来季はトップ4、その次にプレミア制覇を争う陣容を揃えられれば面白い。まずは2011-12シーズンの5位を超えたいところで、どこまで短期間で成長できるのか楽しみだ。