チェルシーに新オーナーとしてやってきたトッド・ベーリー氏。トーマス・トゥヘルの解任など就任からさっそく動きを見せており、存在感を示している。その影響力はクラブだけにとどまらず、プレミアリーグ全体にまで及んでいる。
先日ベーリー氏が考案したプレミアリーグ・オールスター構想は話題となった。北と南にチームを分け、それぞれ優秀な選手を揃えて対戦する。メジャーリーグのオーナーも務めるベーリー氏だからこそできる発想だが、反発の声は大きい。
その反対意見の中でとくに目にすることが多いのが、選手の疲労問題だ。クラブでのリーグ戦、カップ戦、CL、ELと戦うコンペティションが多く、代表チームでもそれぞれ大会が開かれる。東京五輪にも出場したバルセロナのペドリは1シーズンでの出場試合数が70を超えたと問題になっていた。怪我のリスクが増え、デメリットしかないのだ。
そういったこともあり、話題性は時間が経つにつれて落ちているが英『The Times』によると、プレミアリーグのトップ間での話し合いでは未だオールスター構想の話で持ち切りだという。正確にいえばプレミアリーグ内ではなく、他リーグの例えばスペインのラ・リーガやドイツのブンデスリーガとそれぞれのリーグでオールスターチームを組んで対戦しようとする考えがあるようだ。時期はオフシーズンが計画されており、面白い試みであることは間違いない。
実際にアメリカのメジャーリーグサッカーとメキシコのリーガMXではすでにオールスターゲームが開催されており、直近の開催は2-1でMLS側が勝利を収めている。
オールスター構想では否定的な意見が多かったが、アストン・ヴィラの指揮官であるスティーブン・ジェラードは「個人的な見解だが、ぜひ見たい。それ(プレミアリーグオールスターゲーム)に出場したかったよ」と肯定的な意見を残している。
オールスターゲームを開催するメリットとしては収入の増加だろう。より多くの人々にプレミアリーグやラ・リーガとトップクラスのリーグを知ってもらうことができ、収入も増えればメリットは大きい。しかし選手の疲労が心配であり、デメリットも同等のものがある。
サッカーファンとしてこのオールスター構想は興味深いものだが、現場の選手や監督からすればどうなのか。ジェラードのように肯定的な意見を残す人もいれば、リヴァプールのユルゲン・クロップのように否定的な意見を持つ人もいる。プレミアリーグのトップは乗り気とのことで他リーグとの兼ね合い次第では数年後に実現しているかもしれない。