世界基準の快足でアメリカ代表のビルドアップを機能不全に 前線で起点にもなれる前田大然が”CFの1番手”?

自慢の快足を武器にアメリカ代表を苦しめた前田大然 photo/Getty images

アメリカ戦で評価を上げた

日本代表はドイツのデュッセルドルフにてアメリカ代表と対戦。前半鎌田大地のゴールでリードを得ると、後半には三笘薫が得意とする左サイドからのカットインで得点を挙げ、2-0と勝利を収めた。アメリカ代表は負傷者が多かったとはいえ、5大リーグでプレイする選手が多く、そのチーム相手にこの完勝は自信になったはずだ。

このゲームで印象的だったのは前線からの守備だ。システムは[4-2-3-1]で、中盤ダブルボランチは遠藤航と守田英正、2列目は右から伊東純也、鎌田大地、久保建英、最前線に前田大然が入った。

2列目までの4人でアメリカ代表のビルドアップにハイプレスを仕掛けており、中盤で遠藤、守田でボールを回収する。この流れができており、鎌田の先制点はハイプレスからのショートカウンターでゴールが決まっている。

最前線からボールを追いかけまわす前田のスプリントは非常に効果的だった。おそらく世界でもトップクラスのスピードを持つ韋駄天であり、彼がハイプレスを仕掛けることで、アメリカ代表のビルドアップを混乱させていた。

それだけでなく前田は前線でボールを収めることができ、起点となる動きも見事だった。遠藤と守田がボールを回収し、前田が時間を作ることで2列目の鎌田らが前を向ける。この一連の流れが日本代表の武器になっていた。

しかし後半その前田が下がるとハイプレスはトーンダウンしてしまい、前半ほどゲームを支配できている感覚はなかった。代表での経験が薄い町野修斗が入ったこと、アメリカ代表が中盤のタイラー・アダムスを最終ラインに下げて後方の枚数を増やすなどビルドアップで工夫を見せており、日本代表の強みを封じている。これが前田であれば前半通りに行ったのかは分からないが、もし後半も通用するのであれば前田をもっと長い時間見たかった。

今回の招集で、センターフォワードタイプの選手はアメリカ戦で起用された前田、町野と起用されなかった古橋亨梧、上田綺世がいる。古橋と上田はおそらくエクアドル戦で起用され、ここから評価を上げることになるが、アメリカ戦でのパフォーマンスを見る限り、ハイプレス・ショートカウンターの戦術にマッチしているのは前田だ。

課題を挙げるならゴール前での怖さだが、スピードを生かしたハイプレス、前線での起点作成能力の高さは際立っていた。定まらなかったサムライブルーのストライカーだが、ここにきて前田が1番手となるか。

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