ドリブルはピークの142回から58回へダウン “中央から”変わる30歳ネイマールのスタイル

PSGで快調なスタート切る今季のネイマール photo/Getty Images

ガルティエの下で理想的なスタート

クリストフ・ガルティエの下でパリ・サンジェルマンは欧州の頂点へ駆け上がれるだろうか。今季も攻撃の中心はキリアン・ムバッペ、ネイマール、リオネル・メッシで構成されるMNMだが、昨季までとは動き方が異なる。

ガルティエは3バックにトライしており、ネイマールもより中央でプレイする時間が増えている。これはブラジル代表でも同じで、米『ESPN』はネイマールが左サイドから積極的にドリブルを仕掛けるプレイヤーではなくなったと指摘。30歳を迎え、中央からゲームメイクもこなすアタッカーへと変わりつつあると見ていいだろう。

実際、昨季のネイマールはパリ加入以降では最もリーグ戦でのドリブル成功数が少なかった。加入初年度の2017-18シーズンは1788分間のプレイで142回もドリブルを決めていたが、昨季は1861分間のプレイで58回だけだ。ドリブルにトライした数も減少傾向にあり、ネイマールのスタイルも変わってきている。
バルセロナでプレイしていた頃も含めれば、もうあの頃の爆発的な突破力は持ち合わせていないのかもしれない。30代に入るところから推進力を失い、ドリブルの威力が落ちるアタッカーも多い。30歳はドリブラーがスタイル変更を考えるきっかけにもなるだろう。

しかし、ネイマールの才能が消えたわけではない。今季は開幕戦のクレルモン戦から1ゴール3アシスト、さらに7月31日に行われたナントとの仏スーパー杯でも2ゴールを記録するなど、ガルティエ体制でネイマールは理想的なスタートを切っている。

中央でメッシと絡むプレイも質が高く、あとは戻ってくるムバッペと好連携を築きたい。3人が中央で意思を共有し、サイドを高速のウイングバックであるアクラフ・ハキミ、ヌーノ・メンデスといった選手が上手く使えれば攻撃に厚みが出てくる。

クレルモン戦は5-0で制するなどスタートは抜群だが、ネイマールはこのまま中央から違いを生み出していくのか。ガルティエ政権での経験は今年のワールドカップ・カタール大会に活きてくる可能性もあり、ネイマールは2022年の主役となるかもしれない。

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