クリバリ、インシーニェ、メルテンス一斉退団の夏 ナポリは弱体化を防げるか

インシーニェは長くナポリを引っ張ってきた photo/Getty Images

2010年代はスクデットに近づいたが……

昨季は3位、2020-21シーズンは5位、2017-18と2018-19シーズンは2位に入るなど、近年のナポリは常にセリエAの優勝争いに顔を出してきた。ユヴェントスさえ盤石でなければ、あと一歩で優勝できたシーズンもある。

しかし、その時代を支えてきたレジェンド3名が今夏揃ってクラブを去った。前線のロレンツォ・インシーニェ、ドリース・メルテンス、最終ラインの要だったカリドゥ・クリバリだ。

3人とも30代には入っているものの、それでも高い実力を持つ選手なのは間違いない。その3人が一気に抜けるのはダメージが大きいだろう。
メルテンスは35歳と大ベテランだが、ナポリ歴代最多得点記録を持つアタッカーだ(148ゴール)。インシーニェはそれに次いで歴代2位となる122ゴール、クリバリも2010年代を代表するワールドクラスのセンターバックだ。彼らの代わりとなる選手を見つけるのは難しい。

補強の方では韓国代表DFキム・ミンジェを獲得しており、ひとまずはアジアの大型センターバックがクリバリの後継者となる。とはいえ、キム・ミンジェはまだ5大リーグで何かを証明した選手ではない。アジア方面からの期待は大きいが、さすがにクリバリと同じ働きを求めるのは厳しいだろう。

前線ではジョージア代表にてデビューから17試合で8ゴールと大活躍している21歳のFWクヴィチャ・クワラツヘリアの獲得をまとめており、クワラツヘリアは左のウイングを中心にプレイする選手だ。こちらはインシーニェの後継者候補となる。

だが、こちらも5大リーグは未経験だ。高いポテンシャルを持つ選手と期待されているものの、いきなりフィットするかは分からない。

果たしてナポリは強さを維持していけるのか。2010年代は再びのスクデット獲得の夢を描いたサポーターも多いはずだが、今夏のレジェンド3名一斉離脱はショックが大きいはず。今夏の新戦力が当たらなかった場合、一気に順位を落とす可能性もゼロではなさそうだ。

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