“走行距離120km、スプリント数249回”を記録する走るサガン鳥栖 FC東京を5発快勝で粉砕したダークホースの強みとは

今季も好調を維持するサガン鳥栖 photo/Getty images

FC東京を圧倒した

2022年シーズンのJリーグは第18節までが終了した。すでに後半戦がスタートしており、首位は37ポイントの横浜F・マリノスだ。今季のトップ3はF・マリノス、鹿島アントラーズ、川崎フロンターレと例年通りだが、面白いのはそれより下の順位だ。4位に昨季11位だったサンフレッチェ広島が、5位に昨季15位だった柏レイソルが、6位に昨季7位だったサガン鳥栖がいる。

今季の鳥栖は走力を強みとしているチームだ。小屋松知哉、樋口雄太ら主力をオフシーズンに放出することになったが、既存戦力をうまく[3-4-3]に落とし込んでいる。

5-0と快勝となった26日のFC東京戦でも鳥栖の走力は目立った。守備時は相手のビルドアップにハイプレスを仕掛け、奪えばショートカウンターからゴールを目指す。3点目となった本田風智のゴールがまさに“形”であり、FC東京は得意のつなぎをさせてもらえない。
『Jリーグ公式』ではFC東京戦の走行距離とスプリント数のデータを出している。鳥栖の走行距離、スプリント数は120km、249回に対し、FC東京は108km、165回と差は大きい。第18節は計9ゲーム行われることになったが、走行距離、スプリント数共に鳥栖が全体で1位の成績を残していた。

鳥栖の強みは走力と前述したが、川井健太監督が整備した“形”があってこそのものだ。ただ闇雲に走ればいいというわけではなく、守備時のハイプレスにしても狙いを持って行われている。とくに明確となっているのが守備時のプレッシングであり、FC東京の強みを消すことに成功した。しかし守備時のアグレッシブさがピンチを生むこともあり、安定感が欲しい。

リーグトップとなる圧倒的な走行距離を誇る鳥栖。しかし気になるのはこれからの暑くなる季節であり、すでに30℃越えを記録している地域もある。しかも7月6日に川崎戦、10日に柏戦、16日にF・マリノス戦と上位勢との試合が続くことになり、ここで連勝できれば上位に食い込むこともできるが、選手のコンディションが心配だ。走るサッカーに夏の猛暑は天敵であり、どう凌ぐのか注目したい。

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