シティのロドリにバルサのブスケッツ スペイン代表にふさわしいアンカーはどっち?

今季のロドリは目覚ましい成長を遂げている photo/Getty images

今季のロドリは大きな成長を見せた

今季もプレミアリーグを制したマンチェスター・シティ。夏にはハリー・ケインの獲得を逃すなど難しいシーズンの入りとなったが、上手く勝ち点を積み重ね、シーズン終盤にはプレミアリーグ年間最優秀選手に輝いたケビン・デ・ブライネが躍動した。ピッチに立てばほぼ確実にゴールやアシストを記録するその姿は圧倒的で、まさにエースの活躍だった。

英『The Athletic』でもデ・ブライネや豊富な運動量を武器にチームに貢献したベルナルド・シウバらを称賛しているが、「ロドリの活躍がなければ今シーズンの成功はなかった」とも主張している。

確かに今季のロドリは凄かった。昨季は終盤にパフォーマンスを落としフェルナンジーニョにポジションを奪われたが、今季は開幕から好調を維持し、リーグ戦では33試合に出場して7ゴール2アシストをマークした。

特に素晴らしかったのは守備面での改善だろう。ロドリは今季プレミアで最多となる292回のボール奪取を記録している。デクラン・ライス(286回)やピエール・エミール・ホイビュルク(281回)よりも多い数字であり、彼がどれだけ中盤のフィルターとして機能したかが分かる。中盤の守備が安定するとその分、攻撃の時間が長くなり、相手から攻撃される回数は減る。そうなれば攻守ともに安定感が増すことになる。

そんなロドリでも超えられない壁はあった。それはスペイン代表でのセルヒオ・ブスケッツの存在だ。ロドリよりも機動力という面では劣るかもしれないが、適切なポジション取りをし、攻守両面でチームを支える。特に配球力は素晴らしく、ブスケッツを経由すれば面白いようにボールは回る。

その差が明確になったのはEURO2020でのことだ。最終的にラウンド4で姿を消したラ・ロハだが、グループステージでは苦しめられた。初戦スウェーデン、2戦目ポーランドはどちらもブスケッツを欠き、ロドリがアンカーでスタートしている。結果はどちらも引き分けであり、最終節の結果次第ではグループステージ敗退もあった。だが、3戦目のスロバキア戦でブスケッツがチームに戻ってくると5-0で快勝を収めることに。やはり、ブスケッツは一味違った。配球面でもそうだが、守備面ではいる必要のある場所にポジションを取り、相手の攻撃を遅らせる。この動作一つで失点のリスクは減る。

だが、今のロドリとブスケッツではどうだろうか。スペイン代表での連携面では未だブスケッツが有利だろうが、今季のロドリは配球面、守備面で大きな改善が見られた。スペイン代表は6月からネーションズリーグを戦い、11月のワールドカップ・カタール大会では日本と戦うことになる。そこでポジションを勝ち取るのはどちらの選手になるのだろうか(データは『The Athletic』より)。

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