放出候補から今ではチームの希望に シティが求める“CFの理想像”を体現したガブリエウ・ジェズス

重要なレアル・マドリード戦でゴールを挙げたガブリエウ・ジェズス photo/Getty images

今季限りで退団となるのだろうか

マンチェスター・シティ率いるジョゼップ・グアルディオラ監督は昨季から3トップの中央に本職のセンターフォワードを置かない偽9番を軸にシーズンを戦っており、フィル・フォーデンをはじめケビン・デ・ブライネやラヒーム・スターリングなど本職ではない選手を当てはめて戦っている。そうなると、前線で流動性が生まれよりチャンスが起きやすくなる。

しかし、欠点もある。一つはボックス内で強さを発揮できる選手が減ることだ。いくらチャンスを多く生み出すことができても決めきれなければ意味がない。シティは偽9番導入から、決定機をゴールに結びつけられない現状に悩まされている。もう一つはロングボールでのカウンターやビルドアップで後方からつなぐ際に前線に体を張れるターゲットマンがいないため、組み立てが窮屈になってしまうことだ。これはFAカップでのリヴァプール戦で顕著に見られており、スターリングでは前線でボールを収めることができなかった。

そのため、シティはその2つの分野で輝くことのできるサイズのあるストライカーを移籍市場で探しているのだが、CL準決勝1stレグ、レアル・マドリード戦ではその項目に当てはまる選手がシティにいた。ガブリエウ・ジェズスである。

ジェズスはCFとしてチームに加入するも、近年では右ウイングとして起用されている。そのポジションでは裏への抜け出しや献身性のある守備で良さを見せているが、リヤド・マフレズの牙城が崩せず出場機会を掴むのに苦労していた。しかし、ペップはレアル戦でジェズスを本来のCFで使い、マフレズと共存させている。

この日のジェズスは当たっていた。11分、ケビン・デ・ブライネのパスに反応して追加点を決めると、その後は攻守に躍動。ジェズスが2ゴール目を決めることはなかったが、175cmとそこまでサイズがなくともレアル守備陣相手に体を張り、前線で起点作成を行っている。しかも、1度ではなく何度も後方からのロングボールを収めるシーンが見られており、ジェズスが入ったことで普段のシティには見られないボールの前進のさせ方が見られた。

次に守備だ。このゲームではデ・ブライネと共に前線2トップのような形でレアルのビルドアップに圧力をかけている。これが見事にハマっており、ティボー・クルトワやエデル・ミリトンといったレアルの守備陣のパスコースを限定し、仕方なく前線に蹴りだすことになる場面が見られている。シティはそのセカンドボールを後方で回収し、再びボールを握ってレアル陣地に攻め込んでいる。

英『manchester evening news』ではジェズスに対し、「来季チームにいないかも知れないプレイヤーが、今チームの希望になっている」と大絶賛している。実際にジェズスにはアーセナルが関心を寄せているとの話があり、すでに個人合意済みであると報じているメディアもある。確かに来季加入濃厚とされるアーリング・ハーランドはより強力なFWだが、ジェズスのような守備に特化したFWも必要なオプションであることは間違いない。

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