4部から這い上がり今ではプレミアのトップハーフに ウェストハムをEL4強入りに導いた“200万ポンドの男”

ベテランになっても学ぶ姿勢を持つクレイグ・ドーソン photo/Getty images

チームを支えるベテランだ

デイビッド・モイーズが監督に就任してからは一気に安定感を得ることに成功し、昨季はプレミア6位でフィニッシュしたウェストハム。以前から実力者が揃う曲者集団ではあったが、不安定な部分もあった。が、モイーズがチームを支え今季はここまでプレミア7位、ELではリヨンを撃破し、4強に残った。ELでは優勝候補筆頭とされていたバルセロナがフランクフルト相手に敗れており、優勝の可能性は十分にある。そんな4強入りを決める試合となったリヨンとの2ndレグで活躍したのが、ベテランDFのクレイグ・ドーソンだ。

イングランドの実質4部リーグのロッチデールでデビューし、その後複数のクラブを経由してワトフォードから200万ポンド(日本円にして約3億円)でウェストハムにやってきたドーソン。近年はウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンやワトフォードなど下位のクラブでプレイしており、キャリアの晩年に大きく出世した選手の一人である。

センターバックの選手で、フィジカルを前面に生かしたオールドスタイルの守備者だ。地上戦、空中戦のデュエルで強さを発揮するタイプであったが、ウェストハムではビルドアップでも貢献できるようになっており、ドーソンの効果的なロングフィードから攻撃が始まることもある。

そんなドーソンは基本的に控えの守備者だが、ファーストチョイスのCBであるアンジェロ・オグボンナは怪我で離脱しており、クルト・ズマと先発を組むことが多い。リヨン戦でもズマと共にピッチに立つと、セットプレイからヘディングで先制点を奪取。これで勢いにのったウェストハムはデクラン・ライス、ジャロッド・ボーウェンの追加点でリードを保ち、2戦合計4-1でラウンド4入りを決めている。

英『THE SPORTSMAN』では「200万ポンドの男がウェストハムをヨーロッパのラウンド4に導く」とドーソンの活躍を報じている。このゲームでは得点以外にも4回のクリアに6度のシュートブロックを成功させ、壁としてゴール前に立ちはだかっており、フランスの強豪リヨンを苦しめている。

これまではイングランドの下位クラブでプレイし、代表への招集もないドーソン。それでも、ウェストハムでは欠かせない存在としてチームを支えている。31歳とベテランの選手だが、今がキャリアの中で最高の瞬間だといえるだろう。

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