ミランで“10ゴール”決めた日の輝きはどこへ 古巣の躍進を眺めるしかない若きFWの苦悩

今はエンポリでプレイするクトローネ photo/Getty Images

今季も2ゴールしか奪えていない

12日に行われたセリエA第29節、スクデットを目指すミランはホームでエンポリを1-0で撃破した。なかなか渋いゲームではあったが、ミランは何とか首位をキープしている。追いかけるインテルの消化試合が1つ少なくなっているが、ひとまずミランにとってスクデットへまた一歩近づく勝利だ。

そんな古巣の躍進をどう見ているのか。このエンポリ戦に途中出場していたのが、2019年までミランでプレイしていたFWパトリック・クトローネ(24)である。

ミランのアカデミー出身者であるクトローネは、2017-18シーズンにミランの一員としてセリエAで10ゴール奪った経験も持っている。2018年にはイタリア代表デビューも果たしており、将来が期待されていたストライカーだったのだ。

しかし、クトローネは2019年にイングランドのウォルバーハンプトンへ移籍。ここからは少々複雑なキャリアになってしまった。

ウォルバーハンプトンでは結果を残せず、加入から半年後にはイタリアのフィオレンティーナにレンタル移籍することに。慣れ親しんだセリエAへの復帰ではあったが、ここでも期待されたほどの結果は残せず。

1年後には負傷者が出た影響から所属元のウォルバーハンプトンに呼び戻されたが、1カ月としないうちに今度はスペインのバレンシアへレンタル移籍。昨季はセリエA、プレミア、リーガ・エスパニョーラと3つのリーグでプレイする不思議なキャリアとなった。

そして今季からはエンポリにレンタル移籍しており、今回ミランと顔を合わせることになったわけだ。ここまでは1150分間プレイして2ゴール1アシストの成績に留まっており、やはり納得できるものではない。

結果論ではあるが、あのままミランでプレイしていたらどんなストライカーになっていたか気になる選手ではある。現状のままではイタリア代表入りも厳しく、埋もれてしまう可能性も考えられる。

若くしてセリエAで10ゴール奪ったストライカーの才能を枯らすわけにもいかないが、24歳と中堅世代に入りつつあるクトローネのキャリアはどうなっていくのか。まずは安定して出番を確保できるクラブを見つけたい。

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