今後より注目される選手だといえる
2022年の開幕戦となったセレッソ大阪戦では攻め続けるも、セットプレイからの2失点で引き分けに持ち込まれてしまった横浜F・マリノス。続く川崎フロンターレ戦もセレッソ大阪戦と同様にチャンスを作るいい展開も、前半に先制されてしまった。よい内容のゲームをしているだけに、流れが悪くなるかと思われたが、最終的には後半で4ゴールを奪い、4-2で勝ち点3を手にしている。
攻撃陣が爆発する後半となったが、流れが変わったのは岩田智輝をセンターバックから中盤へポジションを一つ上げたことか。
この試合は開幕戦同様に中盤2枚に喜田拓也と渡辺皓太が並び、最終ラインに岩田が入っていた。展開力、守備力と申し分なかったが、後半から渡辺を下げて畠中慎之輔を投入。そこから一気に3ゴールが生まれている。
岩田が直接ゴールに絡んでいたわけではないが、守備がより強固になったのは確かだ。下がった渡辺も悪くないパフォーマンスを見せていたが、前への意識が強く、自陣にぽっかりと大きなスペースが開いてしまう場面が何度かあった。そこに岩田を入れたことでそういったミスをなくし、より守備が強固になったことで自分たちが優位になるようにゲームを進めている。
昨季大分トリニータから加わり、初年度ながら34試合に出場した岩田。この試合でも見せたようにCBと中盤でプレイ可能であり、昨季の終盤は畠中が負傷したことでチアゴ・マルチンスと最終ラインでコンビを組んでいた。
派手さはない選手だが、基本に忠実でMF、DFともに高いレベルでプレイができる。ビルドアップでは相手のプレッシャーに屈しない技術の高さと冷静さを兼ね備えており、GKの高丘陽平を除いたフィールドプレイヤーで最も高い92%のパス成功率を残している。守備面ではカウンターを受けた際に彼がファーストディフェンダーとなり、何度も攻撃を遅らせていた。
中盤にCBと同時に2つのポジションで起用したいと思わせる岩田。24歳の若さに、ユーティリティ性、守備力、ビルドアップを必要な能力はある程度兼ね備えており、今後は代表入りすることも十分に考えられる(データは『SofaScore』より)。