[名良橋晃]2022Jリーグ開幕間近 毎熊、柳、藤本など8名の注目選手を紹介!

毎熊、岸本、ルキアンが移籍 鈴木優は危機感と覚悟を持つ

毎熊、岸本、ルキアンが移籍 鈴木優は危機感と覚悟を持つ

長崎で実績を残した毎熊がC大阪へ。プロ入り3年目でJ1に挑む photo/Getty Images

 Jリーグ2022シーズンの開幕が目前に迫っています。各カテゴリーの優勝争い、残留争い、得点王争いなど多くの見どころがありますが、ここでは私が期待する選手を紹介します。以前から注目していた選手たちですが、とくに今年は! という8名をピックアップしました。J1から4名、J2から3名、J3から1名となっています。

 毎熊晟矢(長崎→C大阪)はJ2のなかで大好きな右SBでしたが、プロ入り3年目を迎えてJ1に挑戦することになりました。もともと中盤でプレイする選手で、長崎では試合途中からポジションを上げることもありました。いわゆる“ハイブリッド”なSBで、C大阪でもこのポジションでプレイすると思います。

 そうなると、松田陸との出場争いになります。しかし、毎熊晟矢は競争があることを前提に今回の決断をしているはずです。これまでみせてきたパフォーマンスを考えると、J1でも十分に自身の良さ、特長を発揮できると思います。スタメンを取れるかどうか、引き続き注目していきたいです。
 シント・トロイデンから鹿島に復帰した鈴木優磨には、チーム、そして自分に対する危機感があると想像できます。ここ数年、鹿島はタイトルを取れていません。強い覚悟を持って帰還した生え抜きである鈴木優磨が、いかに攻撃でチームを引っ張っていくか。勝負をかけた男の戦いであり、タイトルへと導く活躍を期待しています。

 鹿島はレネ・ヴァイラー新監督が来日できていませんが、岩政大樹コーチがいるので心配していません。公式YouTubeチャンネルでキャンプの様子をみても、すごく雰囲気がいいです。鈴木優磨は自分でゴールできるし、人も使えます。なにより、ギラギラ感が表に出ているのがいい。ぜひ、チームを引っ張ってほしいです。

 岸本武流(徳島→清水)はここ数年右肩上がりで成長を続けた徳島のなかで、右SBを務めてアクセントになっていました。もともと中盤の選手で、走力、スプリントする力があります。高い得点力も持ち味のひとつで、昨シーズンは5得点しています。完全移籍した清水でも、その得点力が期待されています。

 ただ、昨シーズンの途中から清水の右SBは原輝綺が務めています。毎熊晟矢がC大阪で松田陸と競争するように、岸本武流は先発出場に向けて原輝綺と切磋琢磨することになります。徳島から清水へ移籍したことでサッカーがガラッと変わり、求められることも変わるなか、いかに自身の良さを発揮するか見守りたいです。

 磐田をJ1に導き、自身はJ2得点王となったルキアンは、新シーズンを福岡で迎えます。昨シーズンの福岡は安定した戦いでJ1残留を果たしましたが、二桁得点者はいませんでした。新たなストライカーに求められているのは、もちろんゴールです。再挑戦となるJ1でルキアンがどれだけ得点できるかで、福岡の順位も変わってくると思います。

中山、柳、藤本は昇格目指す 長野に移籍した船橋も面白い

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仙台がJ1に復帰するためには、中山の活躍が必須 photo/Getty Images

 中山仁斗(水戸→仙台)はJ2で2年連続二桁得点しており、新天地となる仙台でもフィニッシャーとして得点力が期待されています。なぜなら、昨シーズンの仙台は二桁得点者がいませんでした。このウィークポイントを強化するべく獲得されたのが中山仁斗で、1年でJ1へ復帰させる活躍が求められています。

 嗅覚が鋭く、ゴールになるツボを知っています。ゴール前の“ここ”というポジションに現われ、ときに貪欲に、ときにスマートにゴールネットを揺らします。攻守両面で常に足を動かしているタイプで、ハードワークできるのも中山仁斗の魅力です。

 昨シーズン栃木でプレイし、CBでありながらチーム最多の8得点をマークした柳育崇は、新シーズンを岡山で迎えます。インパクトある得点数に目がいきがちですが、守備の要としてフルタイム出場し、最終ラインに安定感をもたらしていました。移籍先である岡山は守備ベースのチームで、ヨルディ・バイスも加わっています。柳育崇と固めるゴール前は相当な強さ&高さがあり、堅守により磨きがかかることでしょう。

 また、攻撃時のセットプレイではこの両名はそのまま得点源となります。今シーズンから指揮を執る私と同期の木山隆之監督のもと、攻守両面で柳育崇が自分の良さを出せたなら、岡山は昇格プレイオフ圏内の6位争いにからんでくるかもしれません。

 藤本佳希(愛媛→山形)は昨シーズンのJ2で苦しい戦いを続け、チームはJ3降格となりました。しかし、自身は前線で奮起してキャリアハイの10得点をマークしています。この万能型ストライカーが新天地として選んだのは山形で、ピーター・クラモフスキー監督のサッカーにいかにフィットするか楽しみです。ヴィニシウス・アラウージョに代わる活躍が期待されていますが、それだけの力を十分に持っている選手です。

 山田康太、南秀仁など、山形にはゴールのお膳立てができる選手がいます。フィニッシャーである藤本佳希には、ゴール前で結果を残すことが求められています。彼の得点数が増えれば増えるほど、山形の勝点も積みあがっていくでしょう。

 J3ではYS横浜から長野に移籍した右ウイングバックの船橋勇真が面白いです。走力があり、前方への推進力があって個の力で仕掛けることができます。J2に引っ張られるのではないかと思っていましたが、シュタルフ悠紀リヒャルト監督とともに長野を新天地としました。これは、監督との信頼関係が厚く、期待されているということだと思います。長野でプレイする船橋勇真にも変わらずに注目していきます。

 最後に、J3の藤枝では私の長男である名良橋拓真が昨シーズンからプレイしています。ポジションはGKで、終盤になってゴールマウスを任され3試合に出場して経験を積みました。藤枝は須藤大輔監督のもと、GKも含めて自分たちから仕掛けるサッカーを志向しています。今シーズンは2名のGKが加わっており、また新たなスタートです。この先に活躍したなら、息子のことも取り上げさせてください。

構成/飯塚 健司

※電子マガジンtheWORLD266号、2月15日配信の記事より転載

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