降格圏のチームから得点ランク首位のFW登場 17ゴール中《13ゴール》を1人で奪うロシアの点取り屋

ロシア世代別代表でもプレイするアガラロフ photo/Getty Images

いきなり出てきた新星

若手選手とは突然何かのきっかけを掴んでブレイクするものだが、今ロシアの地で急速に評価を高めている若者がいるのをご存知だろうか。

ロシア・プレミアリーグのウファに所属する21歳のロシア人FWガミド・アガラロフ(21)だ。

今季開幕前の段階では無名に近い存在だったが、今季はここまでリーグトップとなる13ゴールを記録。102分に1ゴールというハイペースでネットを揺らしており、同じロシア人FWでゼニト所属のアルテム・ジューバ(10ゴール)、ゼニトのイラン代表FWサルダル・アズムン(7ゴール)といった選手を相手に得点王レースをリードしている。
しかも興味深いのは、アガラロフの所属するウファは現在リーグで降格圏となる15位に位置している。ロシア・プレミアリーグは16チームで構成されているため、15位はワースト2の位置だ。

FWにとっては楽な環境ではなく、実際にウファはリーグ戦にてチーム全体で17ゴールしか奪えていない。そのうち13ゴールをアガラロフ1人が稼いでいるのだから、とんでもない働きぶりだ。

アガラロフはアンジ・マハチカラの下部組織出身選手で、ウファには2020年に移籍。昨季は2部のFKヴォルガリにレンタル移籍し、今季よりウファに戻ってきた。まだロシア代表でのプレイ経験もなく、今季開幕前の時点ではロシア・プレミアリーグでも得点を奪ったことがなかった。

それが第2節のディナモ・モスクワ戦で2ゴールを奪うと、そこから急にペースアップ。初得点から畳み掛けるようにゴールを量産し、得点ランク首位に立ってしまった。若手特有の超ハイスピードな成長ぶりで、一躍世界が注目する若手タレントとなったのだ。当然ロシア代表も放ってはおけないだろう。

移籍情報サイト『Transfermarkt』の市場価値も昨年5月時点では僅か35万ユーロだったが、今では約10倍アップの400万ユーロの評価がついている。

レフティーのアガラロフはテクニックもまずまずのレベルにあり、ドリブルを仕掛けるシーンも珍しくない。しかし基本的にはポジショニングセンスを活かしたワンタッチゴーラーで、ヘディングも精度が高い。

今季1シーズンのみのブレイクでは終わってほしくないが、ロシアを代表するエースストライカーとなるのか。ロシア国内リーグにおける今季の特大サプライズとなっており、今後のステップアップに期待がかかる。

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