ここまでは完璧な出来だ
難敵アーセナルに勝利し、プレミア11連勝を記録したマンチェスター・シティ。21試合消化して首位を走っており、2位のチェルシーとは勝ち点差が既に10ポイントもついている。まだまだ油断はできないが、このまま調子を落とさなければ連覇の可能性は大いにあるだろう。
そんなシティだが、今季のキーマンは誰だろうか。候補として挙がるのはやはりベルナルド・シウバだろう。豊富なスタミナとプレミアトップクラスのテクニックを武器に攻守で躍動できるハードワーカーであり、今チームに欠かせない選手の一人だ。しかし、今季のMFロドリはそのシウバに並ぶ、もしくは上回る貢献を見せている。
アトレティコ・マドリードからやってきたスペイン代表のロドリ。加入初年度から出場機会を掴むなど優秀な選手であったが、守備力や咄嗟に機転を利かせるアドリブ力に難があり、昨季はフェルナンジーニョにポジションを奪われてしまった。今季もそのままの序列かと思われたが、ペップは開幕から継続してロドリを起用しており、スペイン代表MFも呼応してパフォーマンスが向上している。
今季目立つのはリズムを作ることのできるパスと攻撃の芽を摘む鋭いタックルだ。
昨季もパスは正確だったが、今季はショートパス、ミドルパス、ロングパスとテンポよく配球を行っており、攻撃を停滞させていない。ここまで17試合に出場しているがパス成功数は中盤でトップの1290本、成功率は92%と素晴らしいスタッツを残している。2番目はトッテナムのピエール・エミール・ホイビュルクだが、彼のスタッツは1080本・88%であり、ロドリには遠く及ばない。タックルの成功数は41回と中盤に限定しても12番目の数字でトップクラスとはいえないが、十分に立派な数字だろう(データは『SofaScore』より)。
「バルセロナのセルヒオ・ブスケッツのようにピッチ全体にボールを回し、攻撃を操っている」
英『Manchester Evening News』では元シティで活躍したリチャード・ダン氏がロドリをべた褒めしている。確かに現在のロドリはパスで攻撃にリズムを生み出せる選手であり、スペイン代表でブスケッツの代わりとなれる可能性はある。
アーセナル戦では終盤に決勝点を奪うなど、大仕事を成し遂げたロドリ。その実力は確かであり、今後はより評価されることになるか。