面白くなってきたポジション争い “鉄壁の守備者”ことA・ワン・ビサカを脅かす新世代の成長

ここ2試合ではベンチスタートが続いているワン・ビサカ photo/Getty Images

良い傾向ではある

前オーレ・グンナー・スールシャール監督が退任して早くも4試合を戦ったマンチェスター・ユナイテッドは、今季終了までの暫定監督としてラルフ・ラングニックがチームを指揮することになった。この4試合で3勝1分と負けなしの好成績を残しており、ひとまず監督交代は正解だったようだ。

また、多くのポジションで選手たちが自身の居場所を求めて激しいポジション争いを行っている。前線であれば起用されることが少なかったジェイドン・サンチョがピッチに立つ回数が増えており、オランダ代表のドニー・ファン・デ・ベークにもようやくスポットライトが当たり始めた。以前までの序列は崩れており、よい変化だといえる。

両サイドバックの選手も新たなメンツとなっている。左SBのルーク・ショーはワトフォード戦で負った脳震とうの影響から直近のクリスタル・パレス戦まで欠場しており、実力という意味でスタメンを外されたわけではないが、右SBで不動の地位を築いていたアーロン・ワン・ビサカの序列が怪しくなってきている。

2019年にパレスからマンUにやってきたワン・ビサカは守備に強みを持ったSBとして評価され、初年度からリーグ戦35試合に出場するなど、ステップアップに成功している。しかし、称賛されている守備とは反対に攻撃で違いを見せられず、批判されることもしばしば。だが、ワン・ビサカの代役となれる存在がおらず、最終ラインでは絶対的な選手であったが、とうとう彼にも自身のポジションを脅かす選手が出てきてしまった。ポルトガル代表のディオゴ・ダロトだ。

ダロトはワン・ビサカとは真逆なプレイスタイルの持ち主となっており、攻撃で良さを見せるプレイヤーだ。守備での安定感のなさから今まではワン・ビサカが重宝されていたが、3-2で勝利したアーセナル戦から出場機会を得ており、高く評価されている。持ち前の攻撃力は健在であり、守備でもパレス戦ではウィルフレッド・ザハに苦戦することなく、対処している。

ワン・ビサカとしては苦しい状況に追い込まれるだろう。ダロトが守備面である程度計算できる選手となれば、自身との序列が入れ替わる可能性はある。そのためにも、前線でのクロスやチャンスメイクでの改善は必須だが、また一つ成長することはできるのだろうか。

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