パスと運動量が攻守の武器に リヴァプールの中盤構成は今がベストな布陣

強烈なシュートを決めるチアゴ photo/Getty Images

チアゴが適応し始めている

リヴァプールは昨季限りでジョルジニオ・ワイナルドゥムが退団するも補強は行わなかった。怪我人も増えたことで不安視されていた中盤だが、リーグトップの得点数を誇るチームで現在の構成はベストに近いかもしれない。

現在のリヴァプールはアンカーにファビーニョを据え、インサイドハーフにはジョーダン・ヘンダーソンとチアゴ・アルカンタラが組んでいる。昨季チームに加入するも怪我での離脱が多かったチアゴが、ここに来て好調をキープ。持ち味であるパスセンスを遺憾なく発揮し、攻撃にアクセントを加えているのだ。

ヘンダーソンとファビーニョは言わずもがなの高い貢献度を見せており、運動量と献身性はチームトップレベルだ。昨季までは神出鬼没に前線へと顔を出したワイナルドゥムがいたものの、UEFAチャンピオンズリーグやプレミアリーグを制したことでスペースを与えない守備への対応に苦労する。そこで現在他選手とは唯一無二の働きができるチアゴの貢献も大きくなっている。

中盤から決定的なパスを何本も供給するチアゴ。昨季は連携面での問題もあり、前線の選手たちが創造性についていけないシーンも少なからず見られたが、今季は彼が攻撃の起点となるケースも少なくない。

以前までは強力な両SBを擁し、ウィングとの関係性から高い攻撃力を見せたリヴァプールだが、サイドを封じられてしまった時の打開策に乏しかった。ワイナルドゥムもクロスに合わせるのが上手かったが、自身で展開を変えられる選手ではない。そのポジションにチアゴが収まったことで自らのパスで状況を一変でき、サイドだけでなく中央にも新たな起点が生まれたことがチームの活性化につながっている。

ボール奪取能力とカバーリングに優れたファビーニョに、豊富な運動量とキャプテンシーを見せるヘンダーソン。現在のリヴァプールには彼らとはまた違った良さのあるチアゴが加わり、三者三様の個性を持つ中盤を構成している。チアゴとの連携がさらに強化されれば、より強力なチームへと変貌してくことだろう。

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