仏はPSGだけじゃない もう出てきたカマヴィンガの“後継者候補”ら注目の3クラブ
リヨンはELで躍動 photo/Getty Images
ELでも結果を出せている
フランスのリーグ・アンといえば、パリ・サンジェルマンがすべての話題をさらっている。
しかし、他クラブも見逃せない。今季は欧州カップ戦にてフランスのクラブが躍動しているのだ。
例えばリヨンだ。リヨンはヨーロッパリーグの方に出場しており、ここまでグループステージ無傷の5連勝。今夏にはFWメンフィス・デパイをバルセロナへ手放したが、その穴を感じさせない戦いぶりだ。
リヴァプールから獲得したスイス代表MFジェルダン・シャキリ、ドイツのベテランDFジェローム・ボアテング、チェルシーからは左サイドバックのエメルソン・パルミエリをレンタルで獲得するなど、中堅からベテランの補強で戦力を整えた。
さらに期待の18歳MFライアン・チェルキ、右サイドバックに入る下部組織出身の18歳DFマロ・グスト、同じくアカデミー出身でセンターバックを務めるコートジボワール代表DFシナリー・ディオマンデなど若手も出番を得ており、育成が進んでいる点も見逃せない。
リーグ戦の方では10位と振るわないが、ヨーロッパリーグで上位を狙う力はある。6得点を奪ってヨーロッパリーグの得点ランク首位に立つ29歳のカメルーン代表FWカール・トコ・エカンビ、ビッグクラブも目をつける23歳のMFフセム・アワールらがカギだ。
さらにヨーロッパリーグではモナコもグループステージで3勝2分と負けがなく、グループBで首位をキープしている。
チームでは相変わらずFWウィサム・ベン・イェデルが10得点と好調で、ビッグクラブ注目のフランス代表MFオーレリアン・チュアメニ(21)、DFブノワ・バディアシル(20)といった若手もフル稼働。今夏にはバイエルンからマヌエル・ノイアーの後継者候補であるGKアレクサンダー・ニューベル(24)もレンタルで加えた。
オランダのAZから獲得したオランダ代表FWマイロン・ボアドゥがヒットしていないのは残念だが、ドイツ人FWケビン・フォラント、ロシア代表MFアレクサンダー・ゴロビンなど攻撃で違いを作れる選手は揃っている。
また国内リーグでは最多となる349回ものタックルを記録し、ヨーロッパリーグの方でも出場チームの中でも最多となる115回のタックルを記録するなど、ボール奪取力は極めて高い。この積極的な姿勢は非常に魅力的だ(数字は『WhoScored』より)。
レンヌで出番を得るウゴチェク(左) photo/Getty Images
レンヌでは17歳の逸材もプレイ
最後に、今季から創設されたチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグに次ぐ第3のコンペティションであるヨーロッパ・カンファレンスリーグに参戦しているレンヌだ。
各クラブの力の入れ具合が気になるところだが、レンヌはグループステージでトッテナムをも抑えて3勝2分で首位に立っている。
レンヌといえば今夏に若手MFエドゥアルド・カマヴィンガをレアル・マドリードへ売却したが、その売却益を活かした補強が当たっている。
モンペリエから加えた27歳のFWガエタン・ラボルドはチームトップの11得点を記録しており、デンマークのノアシェランから加えた19歳のガーナ代表FWカマルディーン・スレマナも5得点と活躍。
スレマナはドリブルが最大の武器で、国内リーグではここまでキリアン・ムバッペに次いで2番目に多い48回のドリブルを成功させている。同じく19歳と若いベルギー代表FWジェレミー・ドクと合わせ、2人の仕掛けは脅威だ。
また、若手育成も興味深い。カマヴィンガは抜けたが、代わりにアカデミー出身の守備的MFレスリー・ウゴチュクが出番を獲得。
まだ17歳と若いが、フランス世代別代表に選ばれてきた188cmの大型選手だ。こうした若手が続々出てくるところは恐ろしい。
さらにアカデミー出身の18歳FWロウン・チャウナも徐々に出番を増やしており、こちらもフランス世代別代表選手だ。彼らの成長具合も楽しみなポイントと言えよう。
英『The Guardian』もパリ・サンジェルマン以外のクラブが想像以上の競争力を秘めていると称えており、パリだけのリーグではない。今季はおそらくパリが優勝するだろうが、2位以下の戦いやヨーロッパリーグで頑張るリヨンやモナコに目を向けるのも悪くないだろう。