ドイツで出場機会を得られていない選手がなぜ抜擢された? 現実的なサッカーを選んだ森保一の選択

浅野の持つスピードに森保一監督は賭けたのか photo/Getty Images

厳しい敗戦となった

非常に重要な一戦であったサウジアラビア戦。日本がワールドカップ・カタール大会に出場するためには今行われているアジア最終予選を勝ち抜く必要があり、9月の代表戦では既に1敗目を喫している。

そんな大事な試合で森保一監督がスタメンに抜擢したのはFW浅野拓磨だ。ドイツのボーフムへ移籍後、そこまで出場機会を得られてはいない選手だが、この大一番では[4-2-3-1]の右サイドハーフとして先発を果たした。

狙いとしてはやはり浅野の持つスピードだろう。実際にカウンター時には浅野の速さが生きており、右サイドのスペースを突く攻撃は成功していた。また、後方からの正確なロングフィードもあり、日本の唯一の攻撃手段として森保一監督は考えていたのか。セルティックではセンターフォワードとして起用される古橋亨梧がサイドで使われるのも、同様の理由だといえる。

しかし、ボールを持った際に浅野がボールを収めることができず、右サイドの攻撃は機能していなかった。守備でもそこまで献身的な動きを見せるわけでもないため、後半での交代が妥当だったか。

そんな浅野を起用しなければならない理由は、やはり久保建英の離脱が大きい。この試合ではサウジアラビアのプレスが機能しており、浅野の右サイドと同様に南野拓実の左サイドも余裕を持ってボールを持つことができず機能不全に陥っている。そうなれば日本の得意のポゼッションサッカーを行うのは不可能に等しく、現実的に得点を奪えるカウンターを森保一監督は選んだのだろう。実際に前半には2度ほどカウンターからチャンスを生み出しており、1ゴールでも奪えていれば結果は変わっていたか。

終盤のミスが影響し0-1の敗戦となった日本代表。次節オーストラリア戦では出場停止明けの伊東純也の起用が予想されるが、彼が日本を救う救世主となるか。

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