不退転の覚悟で熾烈な定位置争いに臨むべし マルシャルが挑むラストチャンス

チームの大型補強により、崖っぷちのマルシャル photo/Getty Images

チームは大型補強を敢行

今夏、ドルトムントからジェイドン・サンチョ、そしてユヴェントスからクリスティアーノ・ロナウドが新たに加入したマンチェスター・ユナイテッド。かねてより同クラブの前線には優秀なタレントが揃っていたものの、この2人の加入で彼らの破壊力はさらに増したことは間違いない。今から2021-22シーズンのマンUがどれほどゴールを量産できるかを楽しみにしている人も多いだろう。

しかし、この大補強によって赤い悪魔での立場がより危うくなってしまったのがFWアントニー・マルシャルだ。2019-20シーズンにはプレミアリーグで17得点を記録したものの、以降はサッパリといった印象の同選手。前線からのプレスをはじめとしたオフ・ザ・ボールの意識が低いことも相まって、昨季から彼に対する周囲の評価は下降の一途を辿っている。そんななかでチームは前線にスーパースターを2人も補強。それだけに、現時点でマルシャルの居場所は失われつつあると言っていい。そんなマルシャルだが、彼はここから華麗なる復活を遂げることができるのだろうか。

可能性は決してゼロではないだろう。これまで彼に関して批判の対象となっていたのは、前線での守備をサボるなど意識の部分が大きい。これは本人がやる気にさえなれば改善できる問題で、解決できれば激しい前線争いの中でもマルシャルは生き残っていけるはずだ。もちろん、一度身体に染み付いてしまった“サボり癖”を取り払うのは難しいが、本人も危機感を抱いていることは間違いない。
そして、彼自身の選択からもその覚悟は感じ取ることができるだろう。実はマルシャル、今後チームでの競争が激しくなるにもかかわらず、自ら今夏の残留を望んだのだという。仏『L’Equipe』によると、同選手にはリヨンからレンタル移籍のオファーが届いていたとされるが、マンUでの勝負を希望する彼はこのオファーを拒否したとのこと。新加入選手と真っ向勝負する意気込みは十分のようで、これまでの低評価を覆すほどのプレイを見せてくれる希望は残されていると言っていいか。

与えられたタスクをきちんとこなす気概さえあれば、マンUの前線でしっかりと戦力になれるはずのマルシャル。はたして、このフランス人FWは再びかつての輝きを取り戻すことができるのだろうか。今季こそ奮起しなければ、いよいよマンUでの立場はなくなってくる。

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