2年前まで“アマチュア”だった男が掴んだミラン移籍 苦労人が始める新たな挑戦

今夏クロトーネからミランに加入したメシアス photo/Getty Images

名門クラブで重要な戦力となれるか

昨季セリエAを2位でフィニッシュした勢いをそのままに、今季は2010-11シーズン以来となるスクデット獲得を目指すACミラン。今夏にはGKジャンルイジ・ドンナルンマやMFハカン・チャルハノールを失うこととなったものの、その一方で同クラブはGKマイク・メニャンやMFブラヒム・ディアスを確保することに成功した。主力の一部を失ったのは痛いが、今夏のうちにその穴埋めは終了したと言っていいだろう。

そのような非常にポジティブな夏を過ごしたミランだが、彼らのスカッドにはマーケット最終日にまた面白い存在が加わることとなった。その選手とは、クロトーネから買取OP付きのレンタル移籍で加入したMFジュニオール・メシアス(30)だ。

主にセカンドトップや攻撃的MFを主戦場とするメシアスは、昨季セリエA全36試合に出場して9ゴール4アシストを記録した選手。所属するクロトーネこそ降格することとなってしまったが、個人としてはその能力がセリエAで十分に通用することを証明したと言っていいだろう。敗れこそしたものの、第29節のナポリ戦では1ゴール1アシストの活躍で名門クラブを追い詰める活躍も披露。スクデット獲得を狙うためにもスカッドに層の厚さが必要だったミランにとって、頼もしい補強となったことは間違いない。

そんなメシアスは、これまで辿ってきた経歴も興味深い。実は同選手、2011年に母国ブラジルからイタリアサッカー界に飛び込んできたのだが、異国の地でのスタートはアマチュアクラブからだったとか。伊『La Repubblica』によると、イタリアに来て間もなかった頃の彼は、家電配達員として働きながら生計を立てていたのだという。その後はいくつかのクラブを渡り歩いたのち、2019年にクロトーネとキャリア初のプロ契約(それまでの所属はいずれもセリエDまでのカテゴリ)。驚くべきことに、このブラジル人MFはつい2年前までアマチュアだったのだ。

しかし、前述したようにその実力はすでにセリエAの舞台でも証明済み。昨季までクロトーネの監督として同選手を指導したセルセ・コズミ氏も、その才能には次のように太鼓判を押している。

「彼ほど非常に多くの才能を備えた選手というのは、セリエAでも滅多に見なかったよ。少し遅れてトップレベルにくることとなったけど、メシアスは本当にすばらしい選手なんだ。テクニカルだし、戦術的柔軟性も持ち合わせている。優れたパーソナリティも魅力的だね。なぜミラン以外の上位クラブが獲得に動かなかったのか疑問で仕方がないよ。彼らにはおめでとうと言いたいね。最高の選手だと思うよ」(伊『Gazzetta dello Sport』より)

トップレベルの舞台で日の目を浴びるまでには少し遠回りをしてしまったが、ついにはミランという名門クラブに引き抜かれるまでの選手となったメシアス。はたして、このブラジル人MFは2021-22シーズンのロッソネリにおいて、どれほどの存在感を示してくれるか。30歳の苦労人が始める新たな挑戦には注目だ。

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