[MIXゾーン]王者・川崎、今季初の2戦連続ドロー 選手や監督は何を思う

試合後のインタビューに応じるシミッチ photo/スクリーンショット

『2試合引き分け』ではなく『まだ今季無敗』

川崎フロンターレは21日、明治安田生命J1リーグ第25節でサンフレッチェ広島と対戦し、1-1のドローで終えた。この結果、開幕戦からの無敗記録を「25」まで伸ばし、首位をキープしている。一方で、リーグ戦では今季初の2試合連続ドロー。フロンターレファンにとっては、今後が気がかりになる試合にもなってしまったかもしれない。

確かに、敵地での戦いに加えて広島が立ち上がりから積極的に仕掛けてきたこともあり、川崎は前半、ほとんど思うようなプレイをやらせてもらえなかったのは事実だ。27分にサイドから崩されて失点したほか、1試合3得点を目標とするチームがわずか2本のシュートで前半を終えるのは少々寂しい。ただ後半に入ると、しっかり息を吹き返し、73分には裏へ抜け出した旗手怜央のクロスから好調レアンドロ・ダミアンが貴重な同点ゴールをゲット。王者の意地で、簡単には負けないフロンターレを示した。

フロンターレの今後を不安視している多くのファンの頭には、「田中碧と三笘薫が海外挑戦を決断した矢先の2試合連続ドロー」があるに違いない。もちろん、ここまでチームを引っ張ってきた彼らが抜けたのは痛手だろう。それに追い討ちをかけるように、「チームの心臓である大島僚太の再離脱」や「主将・谷口彰悟の負傷」もあった。しかし、橘田健人や遠野大弥、宮城天といった新戦力たちがピッチで違いを見せるようになってきており、確かに今は踏ん張りどころではあるかもしれないが、フロンターレの未来に関して不安に思う必要はないのではないか。
実際、この2試合連続ドローとなった広島戦を終えて、ピッチでプレイしていた選手や監督たちは何を思うのか。試合後に胸の内を明かしてくれた。

◯車屋 紳太郎
「正直、前半は自分たち自身があまりよくなかったです。なかなか押し込む時間帯がなくて、つなぎの途中で奪われてからカウンターのような形で押し込まれることが続いていたので、どうにか陣地を挽回したかったんですけどね。ハーフタイムに監督から、球際のところだけはしっかりやってほしいと言われて、後半はそこがすごくよくなりました。入れ替わりのところからカウンターにつなげたり、ちょっとしたところですけど、後半に良くなった要因かなと思っています」

「もちろん、勝ち点3を取りたかったですけど、シーズン通したらこういう時もあると思います。僕自身としては、勝ち点3を取りにいきながらも、守備のところはしっかり集中を切らさないことを意識してプレイしていました。DFの選手なので、最悪でも勝ち点1は取らないといけないと思っていました」

◯ジョアン・シミッチ
「広島さんは本当に運動量があり、強度の高いチームで、彼らは特長をしっかり生かしてやっていました。一方で、自分たちはいつも通りのリズムやサッカースタイルをなかなか作ることができずにいました。風の影響もあると思いますが、そういった部分が少しずつ影響してこういうゲーム、前半になってしまったのかなと思います。自分たちのミスが多く自分たちのサッカーができませんでした。その中で広島さんがゴールをしたことによって、自分たちにとって前半は難しいゲームになってしまったのかなと思います」

「監督からも色々言われて、後半は自分たちのサッカーがしっかりできたなという感覚です。みんなハーフタイムに一度冷静になり、やるべきことをみんなで確認しました。その結果、後半はいつもの自分たちのリズムやスタイルが表現ができたんじゃないかなと思います。同点にできましたし、ゴールチャンスもより多く作ることができました。本当であれば、逆転まで持っていければよかったんですけどね。残念ながらそこまではいきませんでした」

「自分たちとしては、『2試合に引き分けてしまった』というような考えはなく、逆に『まだ今シーズンは負けていない』。そこにフォーカスしていきたいと思っています。アウェイゲームの連戦が続く中で、そこでもしっかり勝ち点を取れたと考えた方がいいのかなと思っています。自分たちまだ、いろんな大会に出場しています。どの大会もやはり難しい試合で、簡単な試合はありません。一つ一つしっかりと勝利を目指してかないといけないと思います。もちろん、今日の試合も引き分けではなく、勝利を求めて戦いました。残念ながらそこにはたどり着かなかったんですけど、ネガティブには考えていません。まだまだこれから先も試合は多いので、次に進んでいきたいと思っています」

◯鬼木 達監督
「風と雨がある中で、前半はなかなか難しい戦いをしてしまったなと思っています。そのツケが引き分けというところにもなりました。前半の入り、試合を通してきちんと整理して戦わなくてはいけなかった。前半を0-1で折り返せましたが、もっと失点してもおかしくなかったと思います。そういう意味で言うと、もう1回チャンスをもらったので、逆転するところまでいかないといけない試合でした。ただ、ネガティブにはとらえていません。ここからもう一回、全員で、チーム一丸となってやっていきたいと思っています」

どうやら選手や監督たちは現状をポジティブに捉え、前だけを向いているようだ。これも王者の強さの秘訣だろう。川崎は25日に行われる第26節アビスパ福岡戦もアウェイでの戦いとなるが、次節こそ勝ち点3を手にし、ファンの不安を払拭することができるのか。

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