田中碧は近いうちにデュッセルドルフの軸となる!? 違いを見せつけたデビュー戦

キール戦で待望のデュッセルドルフデビューを飾った田中碧 photo/Getty Images

攻撃の中心にいたのは間違いなく田中

今夏の移籍市場で海外挑戦を決断し、川崎フロンターレからデュッセルドルフへレンタル移籍したU-24日本代表MF田中碧。Jリーグで圧巻のプレイを披露していた田中がブンデスリーガ2部でどれだけやれるのか、U-24日本代表でも違いを見せつけていたサムライのプレイがドイツの地でどれだけ通用するのか、注目しているファンも少なくないのではないか。

そんな中、20日に行われたブンデスリーガ2部第4節で、ホルシュタイン・キールと対戦したデュッセルドルフ。チームは2-2のドローで90分を戦い終えたが、この試合で存在感を放っていたのが新天地デビューを飾った田中だ。まだまだシーズンは始まったばかりで、慣れないこともあたくさんあるだろうが、デビュー戦を見る限りブンデスリーガ2部でも十分に通用しそうだ。

キール戦で移籍後初のベンチ入りを果たし、1-1で迎えた58分にインサイドハーフとして途中投入された田中。ピッチに立つと、デビュー戦ながらいきなりチームを鼓舞する姿を見せており、意識の高さや勝利への執念がうかがえた。プレイ面を見ても、中間ポジションで積極的にボールを受け、長短のパスで前半にはなかったリズムを生み出す。デュッセルドルフはサイド攻撃が主体のチームであるが、田中が入ったことにより、中央での縦パスから相手を崩すシーンも圧倒的に増えた。デビュー戦、そしてわずか30分強のプレイではあったが、デュッセルドルフの攻撃の中心にいたのは間違いなく田中碧だった。
やや窮屈に見えるポジションでも、周囲から集まるパス。加入したばかりではあるが、チームメイトたちも田中の特長や技術の高さをしっかり理解しているように思う。データサイト『WhoScored.com』によると、ラスト30分のタッチ数とパス成功数は、CBのクリストフ・クラーラーに次いで2番目に多かった。終盤にはCKのキッカーも任されており、早くもチーム内で信頼されつつあるのがよくわかる。

87分にはそのキッカーを任されたCKから、貴重な同点ゴールも演出。田中がファーサイドへ走り込んだクラーラーにピンポイントでクロスを合わせると、クラーラーがこれを頭で折り返し、最後はクリストファー・ペテルソンがゴールに押し込んだ。また、川崎で見せていたトランジションの速さやデュエルの強さもしっかり発揮しており、守備面でも貢献。80分にキールのカウンターをくらったシーンでは、DFラインのカバーに入り、冷静に対応してピンチを防いで見せた。

デビュー戦としては、十分の出来だったのではないか。田中のプレイに対して観客席から拍手が送られるシーンも見られ、現地サポーターたちの田中に対する期待もうかがえた。スタメン定着も時間の問題、近いうちにデュッセルドルフの軸になる、そう感じさせるデビュー戦だっただろう。28日には名門シャルケと対戦を控えているが、次節以降の活躍にも注目が集まる。

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