D・アウベスも認めた才能 “NEXTメッシ”のイタリアでの新たな挑戦

プレシーズンマッチのサッスオーロ戦で途中出場したルカ・ロメロ photo/Getty Images

インシーニェはいいお手本か

ラツィオは19日、すでにチームへ合流していた選手たちもいるが、一挙4選手の獲得を発表した。元スペイン代表FWペドロがライバルのASローマから加入したことなど話題がはいつくかあるが、クラブの将来を考えると、注目すべきはU-17アルゼンチン代表FWルカ・ロメロの加入か。

ロメロは2004年11月18日生まれの16歳。両親はともにアルゼンチン人なのだが、メキシコ生まれのスペイン育ちという異色の経歴を持つ。幼いころにバルセロナの入団テストに合格した経験があるが、両親の都合で入団するには至らず。ただ、そのボールの扱い方は、当時バルセロナでプレイしていたダニエウ・アウベスの目にも留まり、「まるでレオ・メッシ」と絶賛された。“NEXTメッシ”と期待される才能の持ち主なのだ。

そんなロメロは2015年からマジョルカでプレイしており、2020年6月に行われたレアル・マドリード戦でトップチームデビュー。81年ぶりにリーガ最年少デビュー記録(15歳219日)を更新し、大きな話題を集めた。しかし、その後はまだまだ発展途上ということもあり、なかなか出場機会を得られず。昨季はスペイン2部で初ゴールこそ決めたものの、リーグ戦では6試合の出場にとどまっていた。
そして、そんなロメロが新たな挑戦の場に選んだのがイタリアの名門ラツィオだ。ラツィオは今季から指揮官にマウリツィオ・サッリを招聘し、イタリア屈指の戦術家のもとで飛躍を目指す。そんな中、昨季まで主体としてきた[3-5-2]から新たに[4-3-3]にも取り組んでいる。また、プレイスタイルも得意としてきたカウンターだけでなく、ポゼッションやパスワークにも力を入れている様子が、クラブ公式Twitterに投稿されたトレーニング動画などからも見られた。つまりは、ナポリやチェルシーで行ってきたような早いテンポとポゼッションを重視する攻撃的なサッカー、通称“サッリズモ”をラツィオでも行おうとしているのだ。

これは、小柄ではあるが、ボディバランスやボールタッチに長け、ドリブルやテクニックが武器のロメロにとっては非常にポジティブな材料ではないか。実際にナポリ時代、サッリのもとでロメロと似たタイプのイタリア代表FWロレンツォ・インシーニェが一段も二段もレベルを上げている。インシーニェあたりは、ロメロにとっていいお手本になるに違いない。

ロメロは移籍発表以前からチームトレーニングを行なっており、すでにプレシーズンマッチもいくつか出場している。ここまでのプレイを見たサッリ監督は、開幕戦の前日インタビューで「これほどまでのクオリティと血の気の多さを持ってトレーニングに取り組む16歳は見たことがない。今季、彼は我々の手助けとなってくれるだろう(クラブの公式Twitterより)」などと評価していた。はたして、ロメロはイタリアで才能を開花させることができるのか。

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