シャキリにはラツィオが合っている!? サッリ下で重宝される2つの役割

今夏の去就に注目が集まるシャキリ photo/Getty Images

ハムシクにもインシーニェにもなれる

今夏の去就に注目が集まっているリヴァプールのスイス代表MFジェルダン・シャキリ。今夏に開催されたEURO2020での活躍により、さまざまなクラブが同選手の獲得に興味を示している。中でもナポリ、ラツィオ、セビージャ、ビジャレアルが強い関心を持っているようだが、この4クラブから新天地を選ぶのであれば、ラツィオが最も合っているかもしれない。

2018年夏にストーク・シティからリヴァプールへ移籍し、この3年間でチャンピオンズリーグやプレミアリーグの優勝を経験したシャキリだが、個人としては苦しい時期を過ごしている。ここまで公式戦63試合に出場(8ゴール9アシスト)するも、途中出場や途中交代が多く、満足のいく出場時間を得られていない。そのため、安定した出場機会を求めて、今夏の移籍を望んでいることを明かしていた。

シャキリの新天地にラツィオが合っている理由として、今夏にチームの指揮官に就任したマウリツィオ・サッリ監督の存在がある。ラツィオは新シーズン、サッリ監督のもとで“サッリズモ”や“サッリボール”を呼ばれるポゼッションスタイルを主体とした攻撃的なサッカーを行っていくことが予想される。相手のライン間でボールを受けることが得意なシャキリは、スイス代表でこのポゼッションスタイルに慣れており、先のEURO2020でも圧倒的な存在感を放っていた。ラツィオの中盤に入れば、サッリ監督が2015年から3年間率い、たくさんの称賛を浴びたナポリ時代におけるMFマレク・ハムシクのようなリンクマンになれるのではないか。
また、小柄ではあるが、鋭いドリブルや推進力も武器であるシャキリ。ウイングに入ってボールを受ければ、その打開力でサッリ・ナポリにおけるFWロレンツォ・インシーニェのような役割も果たせる。出し手にも受け手にもなれ、2つの役割を担えるシャキリは、サッリ監督の下で重宝されるに違いない。さらに、2014-15シーズンの後半戦を過ごしたインテルで思うような結果を残せなかったこともあり、セリエAに対するリベンジの思いも、頭の片隅には持っていることだろう。

実際にシャキリ本人も以前、インタビューの際に「イタリアへ復帰したいか」と聞かれ、「もちろん、戻りたい。イタリアのライフスタイルに恋をしない人なんているのかい? 特にイタリアのサッカーに対する愛情は印象的だよ。イタリアでは生活の一部となっているし、ファンもすごい」とコメント。その上で、移籍が噂されるラツィオに関して「僕は長い間、ラツィオを追ってきている。彼らはトップクラブだからね。僕の特長は攻撃。より攻撃的なサッカーが好きで、サッリはそれを実践している。興味をそそられるよ」と述べていた(伊『Corriere dello Sport』より)。はたして、シャキリはどこで新シーズンを迎えることとなるのか。

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