数年後には手がつけられない存在に “2年目”も爆発したハーランドの恐ろしさ

今季もドルトムントで得点を量産したハーランド photo/Getty Images

ドルトムントの同僚も驚愕

真のワールドクラスとなるためには、ブレイクシーズンの次が勝負。たった1年目覚ましいパフォーマンスを披露したからといって、次のシーズンも同じように活躍できる保証は何もないのが勝負の世界だ。2年目の壁というのは、若手が一流となるために乗り越えなければならないものであり、それを打ち破ることができずに忘れ去られてしまった選手もサッカー界には少なくない。

2020-21シーズンの開幕前、ドルトムントに所属するノルウェー代表FWアーリング・ハーランド(20)にもそんな不安は付き纏っていた。2019-20シーズンにザルツブルクでブレイクした勢いそのままに、ドイツでも圧巻の得点力を見せつけた同選手。だが、相手チームに時間をかけて研究されれば通用するかはわからない。「将来的にバイエルンのロベルト・レヴァンドフスキと肩を並べる選手になるためには、今季が最も重要」。シーズン序盤、独『Sport Buzzer』もハーランドに関してはこのような見解を示していた。

しかし、そういった周囲の心配をよそに、ハーランドはブンデス2年目もドルトムントで大活躍を披露。ブンデス新記録を樹立したロベルト・レヴァンドフスキ(41得点/バイエルン・ミュンヘン)の陰に隠れこそしたものの、ハーランドもリーグ戦28試合の出場で得点ランク3位となる27得点をマークしている。シーズン前の心配など何処吹く風。ハーランドは2シーズン目も圧倒的な成績を残してみせた。
来季以降もこの調子で得点を量産し続けることとなれば、ハーランドはいよいよ伝説の領域へと足を踏み入れることとなるだろう。チームメイトのベルギー代表MFアクセル・ヴィツェルも、この規格外の20歳の才能には大いに驚かされているようだ。

「ハーランドは5,6年前の(ロメル・)ルカクを思い出させるよ。近年、ルカクは以前よりも良いボールコントロールの技術とコンディションの管理法を身につけた。現時点ではそんなルカクには及ばないかもしれないが、アーリングはあの年齢で本当に恐ろしいことをやっていると思う。まだいくつか細かな点で改善点はあるけれど、いずれは世界最高の1人になれると僕も信じているよ。本当に素晴らしいストライカーだ」(独『Spox』より)

ベルギー代表の同僚であるルカクの姿を重ねつつ、ハーランドを称賛したヴィツェル。まだコンディション管理などの面で改善点はあるものの、ハーランドが世界トップレベルのストライカーとなる日はそう遠くないか。

多くの若手にとって勝負となる2年目の壁をあっさりと乗り越えたハーランド。はたして、ノルウェー産の神童FWは今後のキャリアでどれだけ大量のゴールを奪うこととなるのだろうか。リオネル・メッシとクリスティアーノ・ロナウドの二大巨頭がベテランの域に足を踏み入れた現在、サッカー界では新たな怪物が順調に成長している。

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