人数不利でも守備で良さを見せた南野拓実 それでも気になる攻撃での存在感の無さ

サウサンプトンに活躍の場を移した南野拓実 photo/Getty Images

3月以来の出番となった南野

昨季プレミアリーグ初挑戦となった南野拓実。オーストリアのレッドブル・ザルツブルクで名を挙げた若武者は2019年にリヴァプールに加入。絶対的な主力ではなかったものの、リーグ優勝を果たした彼の活躍は日本サッカーを大いに盛り上げた。しかし、プレミア王者で出番を得るのは難しく、今冬に同リーグのサウサンプトンに期限付きでの移籍が決まった。加入後はいきなりゴールを決めるなど再び光を取り戻したかに見えたが、ここにきてベンチを温める時間が続いている。

そんな南野は先日行われたレスター・シティ戦で[4-4-2]の右サイドハーフとして先発を果たした。ピッチに立つのは約1カ月前のブライトン戦ということもあり、ゴールの期待が高まる試合となった。

しかし、前半10分にセンターバックを務めるヤニック・ヴェステルゴーがファウルを犯してしまい一発退場の判定に。久しぶりの出場となった南野だったが、後方で守備に追われる時間が長くなってしまった。

それでも、右サイドバックを務めるカイル・ウォーカー・ピータースと共に右サイドで堅守を披露。時には自陣深い位置に戻っての守備もあったが、相手を遅らせるディレイの守備で相手に仕事をさせていなかった。また、データサイト『WhoScored.com』によればインターセプト数が両チーム通じてトップの2回を記録しており、読みの鋭さを見せた。

このように守備面では良さを見せた南野だったが、攻撃面ではどうだっただろうか。オフザボールが強みと言われている南野だが、相手にマークされパスコースを塞がれている場面が散見されていた。確かに人数不利であるため普段より大勢にマークされることはあるが、動き出しでコースを作ることもできるはずだ。また、個人での突破力の無さも気になる。南野の良さはそこではないのだろうが、前線の選手であればマークをはがす能力は必須となるだろう。もちろん、動き出しでカバーできる部分もあるが、この日の南野にはそういったプレイは見られなかった。

2年目のプレミアに苦しんでいる南野だが、上位に名を連ねるレスター相手に見せた守備は称賛に値する内容だったと言える。あとは攻撃でどれだけ違いを見せるかが、今後の躍進のカギとなりそうだ。

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