[MIXゾーン]エレベーターチームから台風の目に 福岡のポテンシャルは確かに見えた

ボールを奪いにかかるサロモンソン。福岡の守備意識は徹底されていた photo/Getty Images

粘り強さが目を引いた

 G大阪→C大阪→川崎というACL出場権を持つ昨季の上位チームに対してどれだけ戦えるか。福岡にとってアウェイの3連戦は、本当の意味でこのチームがJ1で戦っていくだけのポテンシャルを持っているかが試される試合だ。特にこのC大阪との試合は前節から中2日。コンディション的にも非常に厳しい。C大阪の攻撃的なプレイスタイルからも、チームとしてはしっかり守備をして得意のカウンターに持っていきたいというゲームプランを描いていたはずだ。ところがそれを揺るがす事態が試合開始早々に起きる。

 14分、DF志知のプレイがVAR検証の結果、一発レッド。福岡は試合の大半をひとり少ない状態で戦わざるを得なくなった。

「退場者が出てからはアウェイなので、どこで失点してもおかしくない雰囲気があった。守備はうまく4-4-1でGK、CBを中心にうまく守れたと思う」と話した長谷部監督。

「ひとり少ない分、相手にボールを持たれる。自分たちはボールをどこで奪うのか、引かざるを得ない。カウンターを仕掛ける形になった」

 引かざるを得ないと表現したが、ただそれはカウンターの徹底を意味する。

 実際ホームのC大阪の小菊コーチは「早い時間帯に相手に退場者が出たことで、難しいゲームになることは予想した。相手のやるべきことが統一されて、守備的に、持ち味であるカウンターの鋭さが増してくる」と語った。

 福岡の守備の意識がより研ぎ澄まされ、カウンターも鋭さを増すと考え、まさに展開はその通りになった。67分、福岡が自陣ゴール前からカウンターを見せ、これは辛うじてC大阪が守り切ったが、このCKから高さに優る福岡が触ったボールがファーポストに流れ、これを右サイドハーフの吉岡が左足で豪快に決め切った。

「あそこにボールがこぼれてくると感じていた。相手が寄せてきていたのでトラップは自分が思っていたより少し長くなったが、それで逆にコースが見えたというか、相手が届かない位置、蹴ることができる位置にボールがあったので迷わずシュートを打った」(吉岡)

 福岡とすればしてやったり。C大阪にしてみれば悪い予想が的中した形だ。

 しかしその2分後にC大阪。途中投入したMF中島が左足で豪快にロングを突き刺し、更に76分にはこれまた途中起用のFW加藤が逆転ゴールを決める。流れからいえば完全にホームC大阪のものだった。

 しかし88分、左サイドでボールを奪った福岡は逆サイドに振り、最後はエリア内で3人のDFに密着された状態でFWフアンマが頭で見事に突き刺す。

「ゲームに入った時は難しい状況。ひとり少ない状況でも守ることができたし、こうして勝ち点1を勝ち取ることができた。自分自身も今季初ゴールでチームに貢献できてよかった」(フアンマ)

 結局このまま2-2のドローに終わったが、福岡の粘り強さが一際目を引く試合となった。これで大阪シリーズは2試合連続引き分けで、勝ち点2を持ち帰ることになった。アウェイ3連戦の〆は川崎との試合になる。

「今日の勝ち点1はチームがひとつになるいいゲームだった。自分たちの力を100%出せば、五分五分で戦えるかもしれない。いい準備をしたい」

 淡々とそう話した長谷部監督だが、心中はギラギラとたぎるものがあるに違いない。エレベーターチームから台風の目に。当分福岡から目を離せそうにない。

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