2試合連続弾の大卒ルーキー・佐藤凌我 豊富な運動量で攻守に起点となる選手へ

逆転の口火を切った佐藤 photo/Getty Images

前節プロ初スタメンで初得点を挙げた佐藤

東京ヴェルディは明治安田生命J2リーグ第7節でレノファ山口FCと対戦。先制されるも、3得点を奪い3-1と逆転勝利する。この試合、3トップの一角でスタメン出場し、同点ゴールを決めた佐藤凌我は90分を通してチームに大きく貢献した。

試合は11分に山口の小松連に先制点を献上するものの、2分後に東京Vが佐藤の得点で振り出しに戻す。24分には小池純輝が右サイドから切り込んでシュートを放つと、GKが弾いたボールを山下諒也が詰めて逆転。60分には小池がリーグ単独トップとなる6ゴール目を挙げて突き放す。その後も一進一退の攻防を繰り広げ、最後まで追加点を与えなかった東京Vが3-1と勝利し、連勝を飾った。

同点弾を決めた佐藤は明治大学から加入したルーキー。前節の水戸ホーリーホック戦、初スタメンでプロ初ゴールを含む2得点と活躍し、今節も永井秀樹監督の期待に応えた。今試合でも佐藤は3トップの中央でスタートすると、後方へ下がってボールを受けてビルドアップに参加。2列目から飛び出す選手たちにサイドへ展開するなど、求められた仕事を的確にこなした。
すると13分、中央で自らが起点となって右サイドにボールを振ると、佐藤はフリーで中へ侵入する。ペナルティエリア中央で右からのクロスボールにダイレクトで合わせた佐藤は、2試合連続となるゴールを奪う。さらに直後のプレイでは、自陣左でボールを受けた佐藤が、サイドを変える大きなパスを小池に供給。ボールは小池から若狭大志へ渡り、中へ走りこんでいた佐藤が再び合わせるも、ゴール左に外れて逆転弾とはいかず。しかし、佐藤の起点から2度チャンスを作り、1つは得点に結びつけるなどチームに大きく貢献。守備でも最後までプレッシングを欠かさず、最終ラインからボールを奪ってチャンスを作るシーンも見せた。

明大時代は一瞬で裏を抜くスピードとセンスで得点を量産したストライカーだった佐藤。1年時から試合に出場し、昨季の関東大学サッカーリーグ戦でも22試合で12得点を奪った。その結果、得点ランキング2位でベストイレブンを受賞。明大のリーグ連覇に貢献した。大学時代も積極的に前線からの守備を行っており、豊富な運動量をいかんなく発揮していた。

その佐藤がJのピッチで自らが攻撃の起点となり、今試合でも得点を創出。ゴールだけではなく今季はすでに2アシストを決めており、自分が活かされるだけではなく、他の選手を活かすプレイヤーへと進化を遂げている。彼の存在がチームに大きな影響をもたらしているのは間違いない。前節の佐藤のスタメン起用が新潟戦で大敗した悪い空気を一変させた。それは佐藤の成長もあってこそだ。自ら得点するだけではなく、ラストパスを出せる選手へ。豊富な運動量を武器に攻守の起点となる佐藤の進化に、これからも目が離せない。

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