フランク・ランパード前政権下でこそ本領を発揮することができていなかったものの、チェルシーの若きテクニシャンはトーマス・トゥヘル新監督のもとで一気のその才能を開花させることになるのか。その若きテクニシャンとは、昨夏ブルーズに加入したドイツ代表MFカイ・ハフェルツ(21)のことだ。
最大で1億ユーロ(約126億円)にものぼるとされる移籍金で、今季チェルシーに加入したハフェルツ。その金額が金額だけに、彼へかかる周囲からの期待は相当なものだった。しかし、このドイツ代表MFは開幕からコンスタントに起用されるも、なかなか結果を残すことができず。プレミアリーグへの適応には時間を要することとなった。
その影響もあって、次第に出場時間は減少傾向に。現地時間4日に行われたプレミア第29節のリヴァプール戦時点で、ベンチ入りを果たした直近のリーグ戦10試合のうち、スタメン出場はわずか2試合という事態に追い込まれていた。
しかし、ハフェルツはここから真の姿を見せていくこととなりそうだ。同選手は現地時間8日に行われた第27節エヴァートン戦にCFとしてスタメン出場を果たすと、このポジションで躍動。31分には左サイドからのクロスに反応して先制点をゲットし、64分には味方のスルーパスから抜け出しPKを獲得する活躍を披露。チームの勝利(2-0)貢献を果たすことに成功した。
続くリーズ・ユナイテッド戦(0-0)では得点にこそ絡めなかったが、チーム全体の雰囲気がそれほど良くないなかでもハフェルツはいくつか印象的な働きを示してみせた。トゥヘル監督が与えた新たなポジションで、彼には覚醒の予感がしてきたと言っていい。
「今こそ良いプレイを見せるときだ。簡単なことではないけれど、どんどんプレイを改善させていく必要がある。ベストを尽くすよ。もうチェルシーに来てから6ヵ月が経過した。にもかかわらず、現状僕はあまりゴールに絡むことができていない。良いチャンスを仲間が提供してくれるんだけど、どうにもゴールも前では決定的な存在になれていなかったね。リーズ戦でも惜しいチャンスが2度あった。言い訳をするつもりもない。これからはさらに一生懸命努力して、次回により良いプレイを披露したいと思っているよ」(英『Daily Mirror』より)
このコメントからも感じ取れるように、ハフェルツ本人も現在のポジションにおけるプレイに関してはかなり手応えを掴んでいるか。加入当初はなかなか期待通りの活躍を披露できなかったものの、9番という居場所を見つけて輝き始めたドイツ代表MF。まだ未知数な部分は多いものの、ハフェルツのチェルシーにおける未来に一筋の光が差し込み始めた。