“35歳”の元バロンドールを称えよ レベルアップする中盤のボールマスター

レアルで活躍を続けるモドリッチ photo/Getty Images

まだ銀河系軍団から外せない

2018年夏にチームを離れたFWクリスティアーノ・ロナウド、今もレアル・マドリードの守備を統率するDFセルヒオ・ラモス、最前線で決定的な働きをするFWカリム・ベンゼマなど、近年のレアルには替えが利かない選手が何人かいた。

そのリストに加えるべきだろう。今季再び評価を取り戻している35歳のMFルカ・モドリッチもまた、スター軍団レアルに欠かせないキープレイヤーの1人だ。

レアルは今夏にレアル・ソシエダにレンタル移籍していたMFマルティン・ウーデゴーを復帰させており、ウーデゴーはモドリッチの後継者候補の1人と考えられていた。今季の間にウーデゴーがモドリッチからポジションを奪うと考えていたサポーターも少なくないだろう。
しかし、モドリッチの能力は全く衰えていなかった。指揮官ジネディーヌ・ジダンに懸命のアピールを続けており、むしろ昨季より良くなっている。トニ・クロース、カゼミロと合わせ、やはりこの中盤トリオは外せない。

数字を見てみると、昨季のモドリッチはリーガ・エスパニョーラの戦いにて1試合平均1.4回のドリブルを成功させていたが、今季は1.7回まで上昇。この数字は今季のリーガ・エスパニョーラで22番目に多い。しかも1試合平均のドリブル失敗数が0.6回と極めて少なく、リーガのドリブルランクTOP25において1000分以上プレイしている選手の中ではバルセロナMFフレンキー・デ・ヨングに次ぐ少なさだ。デ・ヨングの場合は今季27回ドリブルを仕掛けて失敗が2回しかなく、中盤からボールを運ぶ安定感ではデ・ヨングとモドリッチが現リーガのNo.1とNo.2と言っていいだろう。

1試合平均キーパス数(シュートに直結するパス)も昨季の1.3本から今季は1.6本へ増加。この数字はリーガ・エスパニョーラ12番目の多さだ。インターセプト数も昨季はリーグ戦31試合に出場して22回だったが、今季は14試合の出場で早くも17回。昨季の数字を超えるのは確実だ。

リオネル・メッシ、ロナウドに比べると地味だが、モドリッチも2018年のバロンドール受賞者だ。そう簡単に代わりが見つかるレベルのプレイヤーではない。ウーデゴーも優秀なチャンスメイカーではあるものの、まだまだ熟練のモドリッチには及ばない。

今のパフォーマンスを維持出来るならば、モドリッチも40歳近くまでトップレベルでプレイできるかもしれない。レアルでは世代交代の必要性が叫ばれてきたが、チャンピオンズリーグ3連覇など前人未到の記録を打ち立ててきた現ベテラン組も簡単に席を譲るつもりはないのだろう。モドリッチも今季前半戦だけで華麗なる復活を印象付けており、今季のリーガ制覇とチャンピオンズリーグ制覇へ重要なキーマンだ。(データはWhoScored.com』より)

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