マンU&アーセナルでの数字をもう超えた 得意の“速攻”でアタッカーが蘇った

ローマで活躍するムヒタリアン photo/Getty Images

セリエAの環境に合っていた

イングランド・プレミアリーグは独特な環境であり、選手によっては全く合わないというケースもある。

例えば現在ローマでプレイするMFヘンリク・ムヒタリアンだ。ドルトムントで好成績を残したムヒタリアンは2016年夏にマンUヘ移籍。ところがスタイルに合わず、2018年の冬にはアーセナルへ移籍することになった。

しかしアーセナルでも思うような結果は出ず、両クラブ合わせてプレミアリーグ78試合をこなして得点数は僅か13点。ムヒタリアンのプレミア挑戦は完全な失敗となってしまった。
そんなムヒタリアンが新天地に選んだのは、キャリア初となるセリエAのローマだ。2019年にローマへレンタル移籍すると、いきなりリーグ戦で9得点を記録。アーセナルでの合計8得点をあっさり超えてしまった。

アーセナルでは思うような結果を残せなかったムヒタリアン photo/Getty Images

ローマでは攻撃の中心に

さらに今季もムヒタリアンは開幕からリーグ戦で7得点を記録。今ではローマの攻撃に欠かせないキーマンとなっている。 合わせると16点となり、すでにプレミア時代を超えたことになる。

プレミアの環境に比べるとセリエAの方がやりやすかったのだろうが、それ以上にローマを指揮するパウロ・フォンセカのやり方にフィットしたのだろう。現在のローマの特長の1つがカウンターアタックで、GKがボールを奪ったところから一気にカウンターを発動するなんてパターンもある。

右に位置するムヒタリアン、最前線に構えるエディン・ジェコ、さらにスピードのあるペドロ・ロドリゲスらを中心としたカウンターにはキレ味があり、速攻の方がムヒタリアンの個性を活かしやすかったか。

今季のローマはポゼッション率がリーグ全体で11番目となる49.6%に留まっている。ユヴェントス、インテル、ナポリ、ミランといった上位陣と比較すると低いが、ボールの支配だけが全てではない。ここまでリーグで3番目に多い28得点を奪えており、守備から攻撃へ切り替わった時こそローマの真価が発揮される。

早くもプレミア時代の得点数を超えたムヒタリアン。ドルトムント以来となる自分に合った環境で目指すはスクデットだ。

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