今季好調を維持していたジョゼ・モウリーニョ率いるトッテナムは、ポゼッション率が低くとも堅守速攻を軸に強敵を撃破できる集団だ。ところが、今回は逆に堅い守備とカウンターアタックを喰らってしまった。
20日にトッテナムを2-0で粉砕したのは、レスター・シティだ。このゲームでのレスターのポゼッション率は43%と低かったが、速攻を軸に枠内シュート4本で2点を奪取。トッテナムが強敵相手に実践してきたようなサッカーで勝ち点3を奪ってみせた。
トッテナムでは今夏にサウサンプトンから獲得した守備的MFピエール・エミール・ホイビュルクが開幕から高い評価を獲得していたが、レスターにもホイビュルクやチェルシーのエンゴロ・カンテに負けぬ実力を誇る守備的MFがいる。
24歳のMFウィルフレッド・エンディディだ。守備的MFとしてフル出場したエンディディも、チームトップとなる5回のクリア回数、タックル成功3回、インターセプト2回と守備面で大活躍。中盤でボールを奪う能力に関してはカンテにも引けを取らない特別なセンスを持っている。
今季は怪我で出遅れたものの、エンディディはここまでリーグ戦6試合に出場して18回のタックルを決めている。1試合平均3回は今季のプレミアの中でも13番目の数字となっており、常に安定した守備を提供してくれるエンディディのような存在は非常に大きい。
しかもエンディディの強みはセンターバックもこなせるところにあり、今季リーグ戦では守備的MFとして3試合、センターバックとして3試合こなしている。空中戦成績も19回中13回に勝利するなど安定しており、183cmのサイズも大きな武器だ。
今回のゲームではホイビュルクもフル出場しているが、守備面においてはエンディディの勝利と言っていいだろう。エンディディの守備力はビッグクラブでも通用するはずで、プレミアでもトップクラスだ。
レスターは勝ち点を27に伸ばして2位へ浮上し、トッテナムは5位に落ちた。現代サッカーではボール奪取を得意とする守備的MFの重要性が増しており、エンディディが今後フル稼働できればレスターにも優勝のチャンスがあるかもしれない。
奇跡のプレミア制覇を果たした2015-16シーズンのレスターには、まだ知名度が低かったカンテがいた。今その役割をこなすのはエンディディだ。2度目の奇跡へ、カギを握るのは24歳の大型ボールハンターか。